『エルピス』は現実ともリンクする? 長澤まさみ、渡辺あやらのタッグに期待したいこと
今後の展開のヒントになるのは、キャストのコメント。TVerで配信中の『放送直前!見どころ徹底解剖SP!』では、鈴木亮平が「主人公が冤罪事件に深く関わっていくうちに、見ているこちらもどんどん深く事件の真相から社会の仕組みとか、気づいたら深い沼にはまっている」「報道のあり方とか司法のあり方とか政治のあり方というところまで、面白いエンターテインメントの中で切り込んでいく」と語っている。そして、鈴木が演じる斎藤と懇意にしている副総理・大門(山路和弘)という存在も。かつては警察庁長官であり(殺人事件が起こった10年前に長官だった?)、政界に睨みを効かせているということで、冤罪が成立した過程にも関わっているのかもしれない。
拓朗の母を演じる筒井真理子によれば、企画書には「“真実には全てを賭けて戦う価値がある”の一行」が書いてあったという。(※)思えば、元総理が凶弾に倒れるまで、私たちは与党とある新興宗教がこれほどに結びついているとは想像すらしていなかったし、2021年の東京オリンピックのスポンサー選定に際し裏で巨額の金が動いていることも知らなかった。そういった隠された真実を掘り起こすには、本来、情報をつかんで調べて報道するというジャーナリズムが機能すべきなのだが、残念ながら、政治と宗教の癒着もオリンピック関連の不正も、テレビや新聞からは発信されなかった。『エルピス』がこれらの事件を描くということではないのだが、まさに“今ここにある危機”である報道の機能不全を鋭く描きだしてくれることを期待したい。
参照
※ https://realsound.jp/movie/2022/09/post-1125129.html
■放送情報
『エルピスー希望、あるいは災いー』
カンテレ・フジテレビ系にて、10月24日(月)スタート 毎週月曜22:00~放送
※初回15分拡大
出演:長澤まさみ、眞栄田郷敦、三浦透子、三浦貴大、近藤公園、池津祥子、梶原善、片岡正二郎、山路和弘、岡部たかし、六角精児、筒井真理子、鈴木亮平ほか
脚本:渡辺あや
演出:大根仁ほか
音楽:大友良英
プロデュース:佐野亜裕美(カンテレ)
制作協力:ギークピクチュアズ、ギークサイト
制作著作:カンテレ
©︎カンテレ
公式サイト:https://www.ktv.jp/elpis/
公式Twitter:@elpis_ktv