『Sister』瀧本美織が山本舞香をジワジワと追い詰める 容赦ないラブサスペンスの幕開け

『Sister』ラブサスペンスの幕開け

「兄弟あるいは姉妹は、一番近くにいる他人」

 『Sister』(読売テレビ・日本テレビ系)で描かれる姉妹間でのノンストップ・ラブサスペンスは容赦なさそうなことを予感させるに十分な第1話の幕開けとなった。

 一緒に暮らすほど仲良し姉妹の妹・三好凪沙(山本舞香)と姉・沙帆(瀧本美織)。しかし、沙帆に婚約者として突然紹介されたのは凪沙の初恋の人・麻倉陽佑(溝端淳平)だった。しかも、沙帆の紹介で入社したデザイン会社で再会を果たしたばかりのタイミングで。この凪沙と陽佑の再会こそ沙帆が画策し仕組んだことなのだろうという疑いがラストシーンで確信に変わる。

 しっかり者で自立していて優しい、仕事もできて家事も完璧で自慢のお姉ちゃん。いつも頼りになって助けてくれるそんな姉・沙帆。対して、6歳下の凪沙は天真爛漫で嘘がつけず人を疑うことを知らない。沙帆いわく「子どもの頃から変わらず手がかかる」妹だ。

 気になったのは8年前に亡くなったという2人の父・洋介(吉沢悠)の写真を眺める沙帆の様子だ。亡くなった後、葬儀などにも一切参列しなかったという沙帆は「だってお父さんあそこにはいないから」と何やら意味深なことを呟いていた。沙帆が眺めていたのは、父親と幼少期の沙帆自身の写真なのだろうか。あるいはあの少女は幼少期の凪沙なのだろうか。

 精神分析学者のジークムント・フロイトは子どもは異性の親に愛情を抱き、それゆえ同性の親にライバル心を抱くとし、それを「エディプス・コンプレクス」と名付けたが、もしかすると沙帆がこのコンプレックスのために敵意を向けたのは母親ではなく同性の妹・凪沙だったのかもしれない。

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