『Sister』瀧本美織が山本舞香をジワジワと追い詰める 容赦ないラブサスペンスの幕開け

『Sister』ラブサスペンスの幕開け

 ここまで対照的な性格の姉妹、かつ6歳も歳が離れているとなれば、それこそ両親は沙帆よりも凪沙に手を焼いたに違いない。自分に向いていた両親の目が一気に自分よりも劣っているはずの妹に向けられることに沙帆の中では昔から嫉妬心ややり切れなさなどがあったのではないか。あるいは沙帆が当時から“私がいなくちゃ何もできない妹をサポートする優しい姉”という自分自身に存在意義を見出していたとすれば、自分の知らぬところで、しかも自分と同い年の別の対象・陽佑に心を開き、彼に身を委ねる妹の姿をどこかで見聞きし、自身のアイデンティティの崩壊に繋がる脅威になりかねないと思ったのかもしれない。

 凪沙を労わる振りをして、見せかけの可愛がりをしながらも着実にジワジワと妹を追い詰めていく姉。姉妹ゆえに相手の急所が手にとるようにわかるのだ。ある意味、兄弟姉妹ゆえ「分かり合えるはず」「理解し合って当然」と相手に期待してしまうし、そうであるべきだと思い込んでしまうがゆえに、分かり合えないと悟った瞬間の絶望感は計りしれず、簡単には割り切れないのかもしれない。もしかすると相手への憎悪も倍増してしまうかもしれない。同じ環境で育ってきたはずなのに「なぜ私はこんなに〇〇なのに、妹は〇〇ではないのか。なぜあの子ばかり……」と自身と切り離せず関連づけて考えてやすいのかもしれない。こじれた時には厄介で他人よりもタチが悪いのが兄弟姉妹という側面もあるのだろう。

 陽佑は今なお凪沙のピンチをさりげなく助け、彼もまた当時の凪沙との思い出を決して忘れてはいないようだ。沙帆に婚約者として紹介され3人で囲むテーブルには気まずい空気が充満していたが、本当に陽佑と沙帆は恋人関係なのだろうか。もしそうでないならば、陽佑はなぜ沙帆に協力し、結果凪沙を傷つけるようなことに加担してしまっているのか。次話の展開が気になってしまい、同じく沙帆の手中で踊らされている自分がいることに早くも気がつく。

■放送情報
『Sister』
読売テレビ・日本テレビ系にて、毎週木曜23:59〜0:54放送(全10話)
出演:山本舞香、瀧本美織、溝端淳平、佐藤大樹(EXILE / FANTASTICS)、吉沢悠、アキラ100%、笠原秀幸、カジワラタクト、小山莉奈
原作:あやぱん、蜆ツバサ
脚本:泉澤陽子、大林利江子
監督:山本大輔、湯浅弘章ほか
チーフプロデューサー:岡本浩一
プロデューサー:中間利彦、熊谷理恵(大映テレビ)
制作協力:大映テレビ
制作著作:読売テレビ
©︎読売テレビ
公式サイト:https://www.ytv.co.jp/sister/
公式Twitter:@sister_ytvdrama
公式Instagram:@sister_ytvdrama

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