“まいんちゃん”放送から9年も人気のワケ 運命の役から朝ドラ抜擢までの福原遥の軌跡
2017年にはTVアニメ『キラキラ☆プリキュアアラモード』(テレビ朝日系)の有栖川ひまり/キュアカスタード役を勝ち取り、キュア戦士として活躍。普段は臆病だけど、大好きなお菓子づくりのことになると途端に熱が入るキャラクターのギャップを難易度の高い声の演技で表現した。この仕事は福原の俳優としての道をもより強固なものにする。『プリキュア』シリーズの15周年記念として制作されたドラマ『声ガール』(ABCテレビ)で主演に抜擢されたのだ。
同作は声優を目指す5人の少女たちを描いた青春群像劇で、福原はスカウトを受けて未知の世界に飛び込んだ八百屋の看板娘を好演。周囲を太陽のように照らす愛らしいヒロイン像を確立させた福原だったが、彼女がすごいのはそこに留まり続けなかったことだ。翌年の2019年にはドラマ『3年A組 ―今から皆さんは、人質です―』(日本テレビ系)で、過去のイメージを大きく覆す闇を抱えた女子高生役に挑戦。未熟さゆえの過ちが重大な結果を生む恐ろしさを突きつけられ、自省と羞恥心からボロボロと涙を流す迫真の演技が話題に。
以降は精神的に不安定な恋愛依存症の女性(『ウチの娘は、彼氏が出来ない!!』/テレビ朝日系)や、ソロキャンプを趣味とするバイク乗りのクールな女子高生(『ゆるキャン△』/テレビ東京系)、ことごとくツイていない不運なヒロイン(『アンラッキーガール!』/読売テレビ・日本テレビ系)など、キラキラだけをまとわない役柄も増えた。それは福原がどんな役にも誠心誠意を尽くしてきた結果だ。キャラクターの喜怒哀楽を瑞々しく映し出す彼女の表現力は制作側の好奇心を駆り立てるのではないだろうか。まさに『正直不動産』(NHK総合)で演じたヒロインの月下咲良役は、シリアスとコミカルな演技を使い分ける福原の様々な表情を楽しめるキャラクターだった。
こうして俳優としての存在感をしっかりと残しながら、朝ドラのオーディションを受け続け、4度目で見事ヒロインの座を射止めた福原。おっとりとして見えるが、胸の内にこちらからは想像もできないような情熱をたぎらせている彼女は舞というキャラクターとも重なるところがある。福原なら向かい風を力に変え、空高く舞いあがっていくヒロインを誠実に演じてくれることだろう。
なお、NHKでは『舞いあがれ!』第1週~3週の一挙放送が決定。関連番組として『クッキンアイドル アイ!マイ!まいん!』も放送される。“まいんちゃん”から“舞”になった福原の変化をこの機会にご覧いただきたい。
参照
※1. https://encount.press/archives/367346/
※2. https://realsound.jp/2022/01/post-938918.html
■放送情報
『クッキンアイドル アイ!マイ!まいん!』
NHK総合にて、10月22日(土)17:15~17:56放送