『正直不動産』応援したくなる福原遥のヒロイン力 山下智久との名コンビぶりも
ピンチに陥っているのは嘘がつけなくなった永瀬(山下智久)だけではない。『正直不動産』(NHK総合)の第3話では、売り上げに伸び悩む月下(福原遥)が、あまりの成績の悪さにクビをきられそうになる。売り上げ重視の不動産業界には不向きと思われていた月下だが、永瀬と話すうちに意外な過去が明らかに。
相変わらず成績の振るわない永瀬だが、教育係として面倒を見る後輩・月下はというと、圧倒的ビリを走っていた。月下は売り上げを上げるよりも、「カスタマーファースト」を徹底。ひとりのお客様に向き合いすぎる上に、自らの会社の利益を考えないがために、成績に伸び悩んでいた。しかしそんな月下のポリシーは自身の過去に隠されていたのだ。かつて両親が離婚した月下は、母と共に新しい家に引っ越した。そこは安くて風呂もないような物件だったが、春には窓一面に満開の桜が見える素晴らしい部屋だったとのこと。その時に月下は、家は「ただの箱」であり、そこに住む人の気持ちこそが大切だと感じたという。この経験から月下は徹底的にお客様と向き合うことに。テナントを借りようとしているお客様が家賃のことで困っていたら、オーナーに直談判してまで力になりたいと奔走するのであった。
弾ける笑顔にハイトーンの良く響く声で月下を演じ、『正直不動産』を明るく照らすのは福原遥だ。実は福原にとってNHKは古巣でもある。子役時代に出演した『クッキンアイドル アイ! マイ! まいん!』(NHK教育)は福原にとって代表作のひとつでもあり、当時大人気の料理番組だった。たった11歳でありながら、堂々と歌って踊り、料理を披露する福原を大人は応援し、子どもは羨望の眼差しで見つめていたものだ。そんな福原も今ではすっかり大人になり、本作では社会人を演じることに。まだまだ不慣れなこともありながら、ひたむきに努力する月下を演じる福原には、自然とエールを送りたくなるヒロイン力があると感じた。山下演じる永瀬とは真逆のキャラクターでありながら、2人の名コンビぶりも第3話にして板についてきたように思う。福原は2022年後期のNHK連続テレビ小説『舞いあがれ!』でのヒロイン役も決定しており、今後ますます期待が高まる。