『ブリジャートン家』で一躍有名に 全ての役の年齢に溶け込むニコラ・コクランのスタイル

『ブリジャートン家』ニコラ・コクランの魅力

 毎年ニューヨークで行われているファッションの祭典、メット・ガラ。2022年もセレブたちが思い思いのドレスを着飾って登場する中、一際目立つ、ピンクの羽が印象的なドレスで登場したのはニコラ・コクラン。今注目のアイルランド出身の俳優だった。

 Netflixで配信するや否や世界中で大人気となった、イギリス貴族を描いたドラマ『ブリジャートン家』。シーズン2が2022年に配信され、コクラン演じるペネロペ・フェザリントンがキーパーソンであることが明らかになった。そんな物語にとって重要な役割となる人物を演じているコクランは、ペネロペのキャラクター同様親しみやすい性格の持ち主。『ブリジャートン家』シリーズのファンへ向けて、シーズン3ではペネロペの恋愛がメインストーリーになると自ら明らかにしたことも記憶に新しい。

 コクランは、1987年にアイルランドで生まれた。明るく可愛らしい声を使って声優の仕事をいくつもこなす彼女が、注目されるきっかけとなった作品は『デリー・ガールズ〜アイルランド青春物語〜』だと言えるだろう。

 そして、10月7日にシーズン3が配信されたばかりの『デリー・ガールズ〜アイルランド青春物語〜』は、90年代の北アイルランドに住む女子高生たちの日常をコメディを交えて描いた人気シリーズだ。

 北アイルランドの当時の政治情勢や時代背景を感じる描写も混ざっているところが見どころ。ロンドンデリーにあるエリンの家や、エリンたちが通うカトリックの高校を舞台に、ドタバタ劇が繰り広げられる。中心となるのは、問題を起こしがちなエリン(シアーシャ・モニカ・ジャクソン)、少し大人びてみせたいやんちゃなミシェル(ジェイミー・リー・オドネル)、ミシェルの従兄弟でイングランド出身のジェームズ(ディラン・ルウェリン)、エリンのいとこで不思議な雰囲気を纏うオーラ(ルイーザ・ハーランド)、そしてコクラン演じる優等生クレアである。いち早く自分たちの成績を確認するために夜の学校に侵入したり、お酒を盗んで遠出をしてみたりと、青春映画に出てきそうな行動に出る5人だが、全てはちゃめちゃな結果に終わってしまうという、どこか残念な魅力がある。

 コクランは、高校生のクレアを演じ始めた当時、すでに30代を超えていたが、『ブリジャートン家』でも分かるように、全ての役の年齢に溶け込むスタイルを持っている。そして、グループの中で唯一「しっかりとした」感覚を持っているクレアは、エリンたちの言動に度々注意するなど、バランスも保っている存在だ。

 シーズン3でも、クレアの頭の良さと冷静さは健在。中等教育修了証の結果が気になって仕方のない様子や、一生懸命にチャリティに参加する様子がとても愛らしい。何より、クレアが主体となって描かれているエピソードが多くなっているところも必見だ。エリンの家族と友人たちで旅行に行くときにクレアだけ電車に乗り遅れてしまうエピソードが印象的。さらに、クレアの恋愛や彼女の家族にも大きな変化が訪れる。

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「コラム」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる