デービーの破天荒さが加速!? 『私の“初めて”日記』S3が描くティーンの葛藤

『私の“初めて”日記』が描くティーンの葛藤

 インド系の秀才高校生デービー(マイトレイ・ラマクリシュナン)が、冴えない自分を変えるためにも、一番の人気者パクストン(ダレン・バーネット)と恋人関係になろうと奮闘するNetflixオリジナルシリーズ『私の“初めて”日記』。よくあるアメリカの女子高校生のストーリー設定でありながらも、父親を亡くした自身の境遇やインドの伝統、「初めて」の恋愛体験など、デービーの行動をナレーション含めて面白おかしく見守るコメディ作品だ。人気コメディドラマ『ジ・オフィス』やティモシー・シャラメの姉ポーリーン・シャラメが主演の『セックスライフ・オブ・カレッジガール』の脚本を担当した人気作家ミンディ・カリングが手がけており、ティーンだけではなく大人も初々しさを楽しめる。そしてついにシーズン3の配信が始まった。

 シーズン1では、恋愛経験なしのデービーが、校内で一番ホットなパクストンと関係を持つと宣言してしまったがために、どうにか彼を振り向かせようと無茶を繰り返す。父親が亡くなったショックで病気になり、失った青春の時間を取り戻そうとしていたのだった。

 シーズン2でデービーは、パクストンとの不思議な関係のおかげで少しずつ有名人になっていくが、勉強を競い合っていた嫌味なベン(ジャレン・ルイソン)とパクストンの間で気持ちが揺れ動く。そんな時に、自分と同じインド系のアニーサ(ミーガン・スリ)が転校してきて、自分の地位が奪われたと嫉妬してしまう。感情の面でまだまだ幼さが残っているデービーだが、アニーサや親友たちとの関係を通して大人へと成長していく過程も描かれている。そのためか、最新シーズンでは感情のままに怒ったり泣いたりするシーンが減ったように感じる。女手一つでデービーを厳しく育ててきた母親ナリーニ(プールナ・ジャガナサン)も友人に明かしているが、癇癪を起こすデービーの成長を見守るのは大変だったようだ。

 そしてシーズン3、やっとパクストンと結ばれたデービーだったが、問題は山積みだった。今までガリ勉で目立たない存在だった彼女とイケメンで人気者のパクストンは不釣り合いだと思われているのではないか、と自分に自信をなくしてしまっていたのだ。ベンはまだデービーのことが気になっているし、新たに母親の友人の息子デス(アニルード・ピシャロディ)という魅力的な男性が現れ、デービーの心は揺らいでいく。

 ストーリーの冒頭では、あまりに恋愛経験がなさすぎるデービーの姿に、筆者は母親のような気持ちで見守ってしまっていたが、シーズン3ではパクストンに嫉妬させようと気になってもいない子とキスをするなどかなり大胆な行動をとっており、デービーの破天荒な一面も加速をしていて驚いた。

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「海外ドラマシーン分析」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる