J・J・エイブラムスも参加 キアヌ・リーブス『コンスタンティン』続編決定までの紆余曲折
こんにちは、杉山すぴ豊です。ここ最近のマーベル、DCのアメコミヒーロー映画まわりのニュースや気になった噂をセレクト、解説付きでお届けします!
先週、アメコミ映画好きの中で大いにバズったのはキアヌ・リーブス出演で2005年にスマッシュヒットとなった『コンスタンティン』の続編が作られることになったというニュースです。この作品はDCコミックが原作。もともとSFホラーコミック『スワンプシング』の1キャラでしたが、その後、彼を主役にした『ヘルブレイザー』というコミックシリーズが作られるようになります。コンスタンティンが登場したのはスワンプシングのコミック。作者は後に『ウォッチメン』を手掛ける鬼才アラン・ムーア。コミック好きにとってはあのアラン・ムーア発のキャラとしても認知されています。
本名はジョン・コンスタンティン。基本的に魔界や悪魔が絡む事件に立ち向かいますが、マーベルのドクター・ストレンジのような魔術師というわけではなく、悪魔や魔法、超常現象の知識に精通した探偵。なのでオカルト探偵とかエクソシスト探偵ともいわれています。ヒーローっぽいコスチュームを着ておらず、コミックでもハードボイルドの探偵風。映画版ではキアヌ・リーブス演じるコンスタンティンが自殺した女性の事件を調べるうちに人間界に暗躍する天使と悪魔の使い(ハーフ・ブリード)たちの企みに挑むというものでした。コンスタンティン自身はすごいヘビースモーカーで、肺癌を患っているという設定。
本作が公開された2005年というのは『スパイダーマン2』の翌年で『バットマン ビギンズ』の公開年。アメコミ映画がブームになり始めたといえ、まだマーベル・シネマティック・ユニバース(以下、MCU)は始まっていません。したがって当時の映画の売り方も、アメコミ売りというよりも、あの『マトリックス』のキアヌ・リーブスが出演する新アクションものという感じでした。ちょうど2003年に『マトリックス レボリューションズ』が公開されておりポスト・マトリックスはこれ、みたいな。日本でもそれなりにヒットし続編を望む声が多かったのですが、なかなか実現にいたりませんでした。逆にコンスタンティンというキャラ自体は、2014年にドラマ版が作られます。主人公を演じるのはマット・ライアン。このマット・ライアン版は1シーズンで打ち切りになったものの、人気DCドラマシリーズ『ARROW/アロー』のキャラとして再登場します。
やがてアメコミ映画やドラマがブームになってくるとコンスタンティンをまた復活させようという動きが出てきます。実はコミックではコンスタンティンがオカルトヒーロー系のヒーローたちを集め怪奇な事件を解決するというホラー×ヒーロー路線の“ジャスティス・リーグ ダーク”というアイデアがあり、DCがザック・スナイダーの『ジャスティス・リーグ』を核にMCUのDC版みたいなシネマティック・ワールド(俗称:DCエクステンデッド・ユニバース)の一つとして検討されたことがあります。一時期、あのギレルモ・デル・トロが手掛けるという噂もありました。しかしいつしかそれも立ち消えになり、今度はワーナー系の配信サービスHBO Max用にJ・J・エイブラムスが『コンスタンティン』のドラマシリーズを手掛けるという話が流れてきました。