『ちむどんどん』やんばるで暮らしたい暢子と和彦 智と歌子の恋はついに進展する?

『ちむどんどん』智と歌子の恋がついに進展?

 そんな二人が、ようやくお互いの気持ちを確かめ合えそうな機会が訪れた。足を挫いた智を支えて、辿り着いたのは小屋。ザ・テンプレのような展開の中、歌子は子供じみた態度をとった自分を卑下する。

「厄介者」
「結局うちは、そういう星のもとで生まれたの」
「うちはネーネーみたいに働いたり、家庭を持ったりできない。この先ずっとひとりで生きていくしかない。生きている間にレコードを一枚出せたらいい。他はもう、諦めている」

 これまで、歌子が重ねてきてしまった自分に対する負の感情が溢れた。しかし、智は力強く「諦めるな」とそれを止める。

「歌子は、幸せになれる」

 両方掴めばいい、夢も結婚も。もっと欲張りになれという智に「しょっちゅう熱を出す女をお嫁さんにもらってくれる人なんかいない!」と反論する歌子。「いる!」と言った智がついに告白をするのかと思いきや、なかなか思うようには進まない。好きな人と結婚したい、という智の考えは伝わったものの、それが歌子であることは本人には伝わらず、小屋は停電してしまった。しかし、暗闇で智は歌子の手をとり、キスをしようとする。どれだけ知った間柄でも、どんな関係性でも暗闇の閉鎖的な空間で両手を取られ、動けないような状況で迫られるのは少し怖いことではないだろうか。加えて、歌子は恋愛経験がない。いくら智のことが好きだからといって、自分のことが好きかもわからない彼から初めてのキスを、こんな状況でされるなんて彼女にとって少し不便ではないだろうか。その不安を拭う意味合いも、そして相手の自由意志を尊重する意味も含め、智は好きという気持ちを伝えた上で、キスをしていいか確認するべきだったはずだ。

 ところが、そのキスは探しにやってきた善一(山路和弘)の乱入によって未遂に終わる。もちろん、暢子への片思いとその結果によるトラウマや傷が智にあることも理解できる。それで臆病になってしまっていることも。それでも智は早く、きちんと自分の気持ちを歌子に伝えるべきだ。歌子というキャラクターが幸せになるためにも、そういった付き合うまでの過程も含め、自分を愛せない彼女にしっかり「愛されている」実感を持たせてほしい。

■放送情報
連続テレビ小説『ちむどんどん』
総合:午前8:00〜8:15、(再放送)12:45〜13:00
BSプレミアム・BS4K:7:30〜7:45、(再放送)11:00 〜11:15
※土曜は1週間を振り返り
主演:黒島結菜
作:羽原大介
語り:ジョン・カビラ
沖縄ことば指導:藤木勇人
フードコーディネート:吉岡秀治、吉岡知子
制作統括:小林大児、藤並英樹
プロデューサー:松田恭典
展開プロデューサー:川口俊介
演出:木村隆文、松園武大、中野亮平ほか
写真提供=NHK

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