『ちむどんどん』やんばるで暮らしたい暢子と和彦 智と歌子の恋はついに進展する?
やんばるの畑で、母・優子(仲間由紀恵)と野菜を収穫する暢子(黒島結菜)はイキイキしていた。NHK連続テレビ小説『ちむどんどん』第117話。成長した息子・健彦(三田一颯)と夫の和彦(宮沢氷魚)と里帰りをした暢子は、東京では味わえていなかった自然や農作業を堪能し、満喫している。
彼らの里帰りを祝した会が開かれることになり、裏の畑で採れた野菜をたくさん使った料理を振る舞おうとする暢子。早速、姉・良子(川口春奈)に試食を頼みながら「なんでかねえ、やんばるの野菜が美味しいって初めて身に染みた」と話す。これまで高級レストランで働いたり、自分で店を持ったりとしてきたが、どんな贅沢な食材よりも山原のものの方が、今は魅力的に思えているようだ。そんな彼女の心を見透かして良子は「帰ってくれば?」と聞く。しかし、暢子は東京の店のこと、そして和彦の仕事のことを考えて難しいと返すのだった。
一方、和彦も和彦で良子の夫・博夫(山田裕貴)と似たような会話をしていた。彼の父・史彦(戸次重幸)のノートを読みながら、感銘を受ける博夫。そこには詳細にやんばる地域のことが書かれており、教師として子供たちに教えてあげたいと常々思っていた彼は、和彦のライフワークを応援する。「いつか、その本を読ませてくださいね」と言われた和彦は「問題はその“いつか”が一体いつになるのか」と、本音を漏らした。和彦もまた、妻の暢子がイキイキしていること、息子もくたくたになるまで遊んでいることを考えてやんばるの良さを実感する。そして、ここに住み、もっと沖縄に向き合いたいと考えていたのだ。彼の言い分では仕事は依頼を受けて原稿を書いて送れば良いからどこでもできるけど(この時代からそんなに簡単なことだったのだろうか)、暢子はせっかく出した店を手放すことになってしまうのが気掛かりらしい。
そんな状況の中で動き出したのが、歌子(上白石萌歌)の恋。集まりにゆし豆腐を持ってきてくれるという智(前田公輝)は、暢子が食べたいとリクエストしたオオタニワタリを採取しにいく。それについて行った歌子は、今度レコードデビューできるかもしれないと打ち明けるのだった。しかし、散々比嘉家のメンバーが騙されてきたのを見てきた智が、歌子に名刺を渡したレコード会社の人間を疑うのも無理はない。「世の中には怪しい会社の人がいっぱいいる」と、今度彼女が会うときは自分も一緒に行くと言った。しかし、歌子は「自分の問題は自分で解決する」と言って反発する。
「うちはもう世間知らずじゃない。うちはいつまでも、妹みたいな幼なじみであるわけよね」と怒る歌子。彼女がなぜ怒るのか、気づけない智は言い合いの拍子に足を踏み外して挫いてしまった。智からすれば、純粋に歌子を守りたい気持ちで行った申し出だったはず。それは恋愛感情からくるものだが歌子の目線からすれば、やっぱり暢子の好物を何のためらいもなく採取しに山まで来る、という行動をとる智が自分を好きでいるなんて気づくのは難しいだろう。