『ちむどんどん』比嘉四兄妹が思い出を胸に“原点回帰” 暢子は房子との約束を果たせるか?

『ちむどんどん』比嘉四兄妹が“原点回帰”

 暢子(黒島結菜)の沖縄料理店「ちむどんどん」がついにオープン。大盛況で迎えた初日は、和彦(宮沢氷魚)のフリーランス記者として初めての記事が雑誌に掲載され、2人は喜びを分かち合う。

 9月1日、『ちむどんどん』(NHK総合)が約1年の撮影を終えてクランクアップを迎えたという一報が入った。放送もあと残すところ1カ月となった第21週のタイトルは「君と僕のイナムドゥチ」。

 イナムドゥチとは、良子(川口春奈)が子どもたちに食育の一環として教えていたように、「イノシシもどき」という意味を持つ。昔はイノシシの肉を使っていたが、現在は豚肉を使った白味噌ベースのおみそ汁で、祝いの席などで振舞われる沖縄の郷土料理だ。

 そのことが示すように、第21週は暢子たち兄妹の物語が大団円へと向かう道筋が立てられた回だった。さまざまなハプニングに見舞われながらも、無事に自分の店を持つことができた暢子。かつて和彦の父・史彦(戸次重幸)に言われたように、辛いときや悲しいときに自分を支えてくれた故郷の味を、彼女は内地の人にも広めていく。

 逆にその味を、いつか故郷を離れるかもしれない子どもたちの中に根付かせようとするのが良子だ。彼女が考案した、地元野菜を使った「うまんちゅ給食」は当初失敗に終わるかと思われた。だが、食材提供者を紹介したり、給食として届けられるまでの過程を紙芝居で説明する工夫により、子どもたちの食に対する興味や愛着を湧かせることができた。

 歌子(上白石萌歌)は少しずつだが、人前でも民謡を歌えるようになってきている。それは、幼い頃から思い続けている智(前田公輝)がそばで応援してくれていることも大きいだろう。自己肯定感が低い歌子にとって、「俺にとっては、歌子が一等賞!」「歌子の歌が好き」と常に自信をくれる智の存在は必要不可欠なのだと思わされる。

 ずっと大きな夢を追いかけて失敗を繰り返してきた賢秀(竜星涼)も、ようやく落ち着きを見せてきた。子どもの頃から愛する豚を育て、地に足のついた生活を送っている。特に自分の名刺を眺めながら、営業がうまくいった喜びを噛みしめる表情に彼の変化を感じた。

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「リキャップ」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる