『ユニコーンに乗って』坂東龍汰の存在感 “かけがえのない同期”西島秀俊との関係に胸熱

『ユニコーンに乗って』坂東龍汰の存在感

「御社が作ったスタディーポニーが僕をまた外の世界に連れ出してくれました。社会に戻してくれました」

 ネット上で有名な正体不明の天才エンジニア“ミン・ソヌ”はなんと「ゲームアカデミア」に引き抜かれてしまった天才プログラマー海斗(坂東龍汰)だった。『ユニコーンに乗って』(TBS系)第8話では、小鳥(西島秀俊)と同じく海斗にも「ドリームポニー」(以後、「ドリポニ」)との運命的な出会いがあったことが明かされた。

 頭脳明晰、無愛想でコミュニケーションを取るのが苦手な海斗は、これまでもなかなか周囲から理解されず、馴染めずにいたようで、あらぬ疑いをかけられたり、はなから決め付けられたり、自分の話に耳を貸してもらえず信じてもらえなかったり……常々居場所がないと感じていたようだ。クラゲのように悲しみや苦しみを感じず、ただただ1日が過ぎていくのを願うような引きこもり生活中にたまたま見かけたのが同じく不登校だった佐奈(永野芽郁)のインタビュー動画だ。

 まさに自分のニーズが全て詰まったアプリである「スタポニ」との出会いによって、海斗は元々好きだったプログラミングの勉強を再開し、今の海斗に繋がる道を切り開いていったようだ。佐奈の「ドリポニ」創業時から変わらぬ思いが、確実に海斗の背中を後押しし、そして巡り巡って志を共にし今まで一緒に働けていた奇跡が幾重にも味わい深く広がる。

 今話ももちろん小鳥のファインプレーが随所で光っていた。海斗がいそうな場所として歓迎会が開催された居酒屋にすぐに思い当たり、そして彼のLINEのアイコンが“クラゲ”に変わっていることから彼の本心や異変に気づく。「海斗さんはクラゲではありません。たった一人の私の同期です」という小鳥の言葉も、佐奈が「ゲームアカデミア」の CEO・永瀬(松尾貴史)に言い放った「森本海斗は心を持った人です」も、彼がきっとこれまで誰かに掛けてもらいたかった、認めてもらいたかった言葉そのものなのだろう。

 本作では、これまで演じてきたキャラクターとは全く異質な役どころを熱演している坂東龍汰の存在感がどんどん増している。『真犯人フラグ』(日本テレビ系)では、あらぬ噂を立てられたり嫌がらせをされたりする側だった主人公役の西島秀俊に、同じ職場の配送ドライバー役の坂東が手を差し伸べ協力する関係性が見られた。そんな2人が本作では互いに全くタイプも年齢も異なるものの“かけがえのない同期”として確かな信頼関係を築いていることになんだか胸を熱くしてしまう。

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