『初恋の悪魔』の鍵は登場人物の名前にあり? 第2章を前に“5人”の物語を読み解く
しかし、「摘木星砂」という名前を持った彼女は例外なのかもしれない。「つみき」は音だけ聞くと「積み木」を、「せすな」は「刹那」的なものを連想させる名前だ。彼女は、これまで描かれてきた通常モードの人格に加え、通称「蛇女」としての人格を併せ持つ。いつも虎柄のスカジャンスタイルでトマト嫌いの彼女が積み上げてきたこれまでの過去は、ある日突然「星の砂」のように流れ落ちて無となり、「蛇女」の物語に成り代わってしまうのだろうか。
摘木星砂に恋した2人。悠日と鈴之介。もしかしたら2人は、1人の女性の中にある、2つの人格にそれぞれ恋をしてしまったのではないか。悠日は「僕が好きになった人が兄を殺したとは思えない」と言ったから、「蛇女」ではない星砂、虎柄のスカジャンの彼女のみを好きになった人物だ。一方、隣人である森園(安田顕)をシリアルキラーと疑って、彼こそが宿敵であると嬉々としていた鈴之介は、自分のことを「悪魔に恋をした異常者」だと言った。だから、「恋愛感情なんて持つわけがない」と。だがむしろ、「悪魔に恋をした異常者」だから、彼は、星砂の悪魔的な「蛇女」の人格に無意識に惹かれ、恋をしてしまった可能性も大いにあり得る。そして、そんな彼と、「蛇女」の人格の星砂が出会ってしまった。
馬淵悠日の「馬」、鹿浜鈴之介の「鹿」、小鳥琉夏の「鳥」。主要人物の4人のうち3人の名前の中に、それぞれ動物がいる。残り1人の摘木星砂の中には「虎」と「蛇」がいる。つまりこれは、4人の物語でなく、「馬」「鹿」「鳥」「虎」「蛇」5人の物語。そこにヒロイン的存在「渚」が加わって、さらに複雑にもつれる恋の行方やいかに。
■放送情報
『初恋の悪魔』
日本テレビ系にて、毎週土曜22:00~22:54放送
出演:林遣都、仲野太賀、松岡茉優、柄本佑、佐久間由衣、味方良介、安田顕、田中裕子、伊藤英明、毎熊克哉、満島ひかりほか
脚本:坂元裕二
演出:水田伸生ほか
プロデューサー:次屋尚ほか
チーフプロデューサー:三上絵里子
制作協力:ザ・ワークス
製作著作:日本テレビ
©︎日本テレビ
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