『テッパチ!』佐藤寛太の大粒の涙が胸を打つ 町田啓太らの成長が詰まった第1部最終回に
陸上自衛隊を舞台に青年たちの成長と熱き思いを描いた、完全オリジナル企画の水10ドラマ『テッパチ』(フジテレビ系)。8月10日の放送では、自衛官候補生としての活動に終止符が打たれた。
いよいよ絆が見えてきて、彼ら8人が一緒にいることを尊く思っていたタイミングでの最終訓練。正直、今日の放送を迎えるまで「もっと第1班でいるところを見たかったな……」と名残惜しく思ったのは筆者に限ったことではないだろう。しかし、いざ放送が始まると非常に満足度が高く、第2部への期待も高まる内容となった。その理由とキャスト陣の涙に着目したい。
まず、何よりも触れるべきは町田啓太演じる国生宙の成長ぶりだろう。第1話放送時の国生といえば、定職につかず、その日手渡しでもらった給料でパチンコ三昧、のちに第1班の仲間となった荒井竜次(佐藤寛太)と街でケンカし、警察沙汰になるほど荒れていた。さらに、そんな荒れ具合は訓練生となって間もない頃も健在。第1話のラストでは、候補生を辞めようとしたこともあった。
しかし、国生は成長した。実際、今話の冒頭に出てくる訓練生を卒業した後での進路の希望には第1志望から第5志望まで普通科と記入。その理由を「肉体的精神的に強くなりたい!」と力強く書いていた。入った当初はなんとなくだった国生が心から「強くなりたい!」と望むなんて、もうそれだけで成長だろう。
また、母親が交通事故に遭ったとの連絡を受け、最終訓練を教育隊中隊長の八女純一(北村一輝)に止められそうになった時「俺はこいつらと、こいつらと最後までやり遂げるって決めたんだよ」と宣言。ずっと1人で居場所がないと思っていた国生が「こいつらと」と第1班の仲間を強調したのだ。加えて、徒歩行進訓練の途中で丸山栄一(時任勇気)が怪我を負い、それでもなお行進を続けようとしたタイミングで丸山の荷物を手に取る国生。自分の荷物だけでも重いはずなのに、一緒に帰る、一緒にやり遂げることを実現しようとしたのだ。これに触発されるように、ケガをしたメンバーの体を支え、支え役の荷物を持ち合う第1班。このシーンでの国生は、口だけで何かを成し遂げることができなかった第1話での姿から、自らが行動し、仲間をポジティブな方向へと導く存在へと成長していたことを表している象徴的な1シーンだろう。