『テッパチ!』佐野勇斗「一緒に帰ろ?」の破壊力 町田啓太と真のバディに

『テッパチ!』「一緒に帰ろ?」の破壊力

 WAC(Women's Army Corps)と呼ばれる陸上自衛隊の女性自衛官(候補生)たちと特別合同訓練をすることになった国生宙(町田啓太)や馬場良成(佐野勇斗)ら自衛官候補生。8月3日放送の『テッパチ!』(フジテレビ系)第5話は働く女性の立場に寄り添い、家族について考えさせられる内容になった。

 男子だらけのむさ苦しい生活に、女子が来るとあり、丸山栄一(時任勇気)や渡辺淳史(坂口涼太郎)ら候補生たちの多くは普段よりも浮き足立っていた。そんな彼らの元にやってきたのは、森下瑠理香(山本千尋)、石崎奈央(坂東希)ら8名の女性自衛官候補生。そこで小説家志望、ネタ探しのために訓練生となった小倉靖男(池田永吉)は石崎に一目惚れする。

 その様子を見た渡辺や西(藤岡真威人)に唆され、奈央に話しかけにいく小倉。そこで渡辺と西は小倉の強みをアピールしようと「オグさんは小説家を目指してて……」と説明しだした。しかし、これが石崎には逆効果だった様子。冷たくあしらわれてしまう。

 確かに、初対面の男子からいきなり「連絡先を交換したい」と言われたら、驚いて冷たくあしらってしまうのも当然だろう。しかし、石崎が小倉を冷たくあしらったのは、そんな簡単な理由ではなかった。実は奈央、候補生になる以前に付き合っていた相手との間に子を授かっていたのだ。

 この衝撃的な事実を石崎が森下に告白していたところに偶然居合わせてしまった小倉。そこで小倉は「めでたいことだし!」と明るく振る舞ったのだが、この言葉に石崎は反応してしまう。「小説家を諦めるしかなくて、仕方がなく自衛隊に入った人に言われたくない! なんで女だけが、子供を産むとかで仕事どうするとか選んだり悩んだりしなきゃいけないの? 男ならよかった。男ならよかった、そしたらあなたみたいに簡単に道選べたのに」と胸の内を明かしたのだ。

 小倉は小倉で精一杯、彼にできる最適な反応をしたつもりだっただろう。だからこそ、少々言い過ぎなようにも感じた。ただ、夢を叶える道半ば、妊娠をきっかけに、その道に居座れなくなってしまった石崎の気持ちは計り知れない。男女平等とはいえ生物学的に埋められない格差を言語化したように思えた。

 そんな石崎に制度の説明をし、勇気づけた桜間冬美2尉(白石麻衣)。しかし、石崎はここで自衛官候補生を辞めることを決意する。話の流れを考えれば「自衛官をやりながら、頑張ります!」というのがスムーズなところでの辞める決意。いくら制度が整っていようと、母親と仕事を両立するとの決意はそう簡単ではないということをリアルに描いた結果に思えた。

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