沢口靖子、『科捜研の女』とクラッカーの38年 お茶の間に愛される普遍的な存在感

沢口靖子、『科捜研』とクラッカーの38年

 だが、前向きで諦めずに真実を追い求めていくマリコの根っこの部分は当初から変わっていない。時代は変わり、ドラマの路線が変更されても、いつもそこに科学を愛する少女の姿がある。それこそ、『科捜研の女』が人気長寿シリーズたる所以なのではないだろうか。

 本作だけではなく、1988年から30年あまりに渡ってヤマザキビスケット(前・ヤマザキナビスコ)が展開するクラッカーブランドのCMを務めるなど、長寿シリーズに愛されてきた沢口。近年は『科捜研の女』以外のドラマや映画にほとんど出演していないが、名前を聞けば、誰もが凛とした笑顔の彼女を思い浮かべることができる。あらゆるものが変わっていく中で、普遍的な存在はそれだけで人々に安心感を与えるものだ。

 一方、『科捜研の女』新シリーズのイメージビジュアルには、これまでとは打って変わり、モードでクールなマリコの姿が写し出されている。そのため、公開当初は一部のファンからドラマのイメージがガラリと変わってしまうのではないかと不安視する声もあった。しかし、「科学で真実を見抜いて、その先に人を救いたい」というマリコの信念が失われない限り、本作はこれからも私たちの心を捉えてやまないだろう(※)。

参照

※ https://realsound.jp/movie/2021/10/post-879484.html

■放送情報
『科捜研の女』
テレビ朝日系にて、10月スタート 毎週火曜21:00~21:54
出演:沢口靖子ほか
(c)テレビ朝日

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