『ちむどんどん』重子の立場なら相当怖い! 良子と賢秀の怒号が飛び交う“非常識な説得”

『ちむどんどん』怒号が飛び交う非常識な説得

 一体、この結婚騒動はどう“落とし前”をつけるのだろう。NHK連続テレビ小説『ちむどんどん』第87話では、良子(川口春奈)と賢秀(竜星涼)が急に重子(鈴木保奈美)に会いに行く。

 良子は重子に暢子(黒島結菜)の結婚に賛成してもらうため、直談判をしに和彦(宮沢氷魚)の実家に来ていた。少しひよって妹の歌子(上白石萌歌)と公衆電話で話すも、歌子は良子が行かなければ賢秀が行くから絶対行ったほうがいい、と背中を押す。加えて、「預けていたもの」を絶対渡すように強く言った。気合を入れ直す良子だが、なかなかインターホンを押さない。すでに家の前をウロウロしているので、お手伝いの岩内波子(円城寺あや)に不審者扱いをされる。それも無理はないだろう。そこになんと賢秀もやってきたので「奥様、一人増えました。人相の悪い男です」と言うと重子も「警察を呼ぶ?」と返す。普通、そうすると思う。

 しかし、そんな話し合いがされていることにも気づかず、父親代わりの長男としてやってきた賢秀は玄関前で良子と言い合いになりながら「比嘉」と名乗る。その苗字に気づいたお手伝いさんが扉を開けた。玄関で喧嘩をする二人を見かねて「帰ってください」と言ったら帰る、という条件つきで中に案内される二人。しかし賢秀は早速、重子の大切にしているオルゴールを勝手に触り、壊してしまった。冷静に考えて、知らない男女が玄関先にて大声で怒鳴り合っている様子自体が怖いし、それが息子の結婚相手の家族なのだとしたら尚更その非常識さが怖い。何より、自分の家という大切な空間を侵略され、大切なものを壊される行為は重子にとってかなり精神的に悪いものに違いない。

 「これ、沖縄の母からお土産のアンダンスー」ですと、良子は色々なものを取り出した。その中には、おそらく歌子が彼女に託したであろうカセットテープも。しかし、重子を目の前にしても相変わらず二人の兄妹喧嘩は止まらない。第87話は終始、彼らと言い争いを視聴者が重子と同じ目線で、ただ呆然と眺めるしかないような回だったと言ってもいいのではないだろうか。

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「国内ドラマシーン分析」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる