『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』韓国では国民ドラマ誕生の声 子犬のようなカン・テオの姿も
第11話の宝くじの当選金を巡る争いを起こした原告の離婚劇は、非常に韓国ドラマらしい展開で驚いた。視聴者の度肝を抜くようなシビアさを描く脚本と演出の秀逸さには、目を見張る。ヨンウが「柔軟性」について学ぶ場面もあり、様々な人と関わる中で、彼女なりの方法で精一杯に清濁併せのむような成長の姿も微笑ましい。
ヨンウがパニックになる自身に対し、自分の特質を理解し、ジュノにサポートを求める姿には胸が締め付けられた。第11話では、体を圧迫させることで気持ちを落ち着かせることのできる椅子の存在が紹介された。何かの役に立つかもしれない、知ることの大切さを教えてくれる素晴らしい作品だとつくづく思わせられる。
第12話では、女性のキャリア形成における女性差別を描き、働く女性の置かれている現状への問題提起がおこなわれた。第6話に登場した「本貫」(先祖の父系氏族集団発祥の土地)にこだわる裁判長リュ・ミョンハ(イ・ギヨン)が再登場。家父長制である韓国社会の女性差別に本貫を絡め、同じ土地の出身者を“えこひいき”し本貫に拘るミョンハを描き、社会風刺として見せた。
骨太の裁判の物語も見どころなのだが、ヨンウとジュノのLOVEラインは配信後、大きく話題になるだけあり、ハートをわしづかみにされるポイントが山盛りだ。ヨンウを抱きしめるジュノの姿、ふたりの手と手が重なるときのジュノのチラリとヨンウに向ける目の演技。手と手が重なる愛の描写がとてもいい。ガラス越しに手を重ねるふたりの互いを想う気持ちが、とてつもなくかわいいのにロマンティックで色気の漂う温かなシーン。キスまで交わす仲なのに、「付き合っていない」とヨンウから告げられ、驚き、「さみしい」と答える子犬のようなジュノの姿も。ヨンウはピュアで愛らしいながらも積極的でクールなのが、ふたりの関係の可笑しさでもあり、今後もヨンウが恋を牽引していくのか楽しみに見守りたい。
参考
※https://top10.netflix.com/tv-non-english
■配信情報
『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』
Netflixにて配信中
(写真はENA公式Instagramより)