『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』にBTSも夢中? パク・ウンビンにはオファーが殺到

 続く第10話では知的障害を抱える女性の恋愛がテーマとなり、交際相手が裁判にかけられる。この中でヨンウが「悪い男に恋する自由はある」と発言する場面がある。一貫してヨンウは自立した大人として社会を渡っていくために頑張っていることがわかる。だが、ヨンウの言った言葉は知的障害を抱える娘を持つ母親からは否定されてしまう。ヨンウの想いも母親の思いもどちらも理解でき、白黒つけられない判断のつけようのないものを、目の前に差し出されたような複雑な気持ちにさせられる。

 ヨンウ自身、ジュノとの交際についてジュノの友人たちの心ない声がリアルさを持ち、ざらりとした気持ちを抱かせる。複雑で重いが、変えていかなければならない問題を、ゆったりと大きく泳ぐくじらや、シャチのCGを挟むことでシリアスになりすぎず、優しく浸透させていくような素晴らしい演出だ。何ができるのであろうかと張り詰める思いを緩ませ、ホッとさせられる。優しいさざなみがやがて大きな潮流となり、言葉にはできない重さやシリアスさが、温かさと優しさで包含したものとなり、多くの人の心に“ゆっくりと泳ぐくじら”のように染み渡るものがあればいいなと思う。

 最後の締めくくりとして、ヨンウとジュノの恋の盛り上がりは外せない。好きな相手がほかの男と仲良くするのを見て嫉妬する姿と好意をあらわすグリーンライトの演出があり、たまらない場面がてんこ盛りだ。ライトの演出では、ヨンウの母であるテ・スミ(チン・ギョン)が、ヨンウの父ウ・グァンホ(チョン・ベス)に会いにのりこんでくる場面で、黄色いライトが背後に光っている。信号機の黄色を思わせ、危険を知らせているようにも取れる。そういう発見も楽しみながら、今後の展開を見守りたい。

参考

※1.https://www.youtube.com/watch?v=MDM027J_gM0

■配信情報
『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』
Netflixにて配信中
(写真はENA公式Instagramより)

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「海外ドラマシーン分析」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる