『ちむどんどん』第15週で明かされたOP映像の意味 三浦大知と優子の眼差しが重なる

 月曜から金曜まで毎日、約半年間にわたり放送されるNHK連続テレビ小説。通称“朝ドラ”のタイトルバックは、(基本的に)最初から最後まで変わらず、物語に寄り添い続ける。そのため、映像も主題歌も全編を包括する内容になっていることが多い。現在放送されている『ちむどんどん』の場合もそうだ。

 本作のタイトルバックは、映像監督・森江康太による朝ドラ初の全編フルCGアニメーションとなっている。「ステレオタイプな沖縄の景色だけではなく、舞台であるやんばる地域の日常を描き出したい」。そんな思いを胸に制作された映像には、私たちが想像する青い海や白い砂浜以外にも、降りしきる雨やアサギマダラなど、現地の人が目にする「沖縄の日常」が映し出されている。

 特に森江監督が気に入っているのは、男女2人が縁側にたたずんでいるシーンだそう。「縁側でたたずむ二人の間に流れるゆったりとした時間が、まさに自分の描きたかったやんばるの日常のように思えました」とインタビューで語っている。第15週「ウークイの夜」の放送後、その2人がヒロイン・暢子(黒島結菜)の母・優子(仲間由紀恵/優希美青)と父・賢三(大森南朋/桜田通)の若き頃であることが公式Twitterで明かされた。

 ご先祖様をあの世へお送りする「ウークイ」の日に、比嘉家の四兄妹が実家に集結した第15週。彼らはそこで、優子と賢三のなれそめを知る。戦争で家族を亡くした優子は、かつて自身の家族が営む食堂で働いていた賢三と再会。2人はやんばるで兄妹のように暮らし始めるも、優子は家族の中で一人だけ生き残ったことへの申し訳なさをずっと抱えていた。そんな優子に賢三がかけたのは、「家族の分まで幸せになれ」という言葉だ。

 それを受け、「この人と家族になりたい」と思った優子は賢三と結婚。暢子たち4人の子どもをもうけた。だが、その愛する賢三をも失った優子は、彼と同じように「亡くなった人たちの分まで、あんたたちには幸せになってほしい」と子どもたちに願う。本作は沖縄のある家族が、海の彼方にある“ニライカナイ”に帰った人たちの思いを背負いながら、自分なりの幸せを追い求めていく物語なのだ。

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