『プリズム』杉咲花が父との時間を見つめ直す 藤原季節と森山未來の過去が明らかに

『プリズム』杉咲花が父との時間を見つめ直す

 皐月(杉咲花)が中学生の頃、父・耕太郎(吉田栄作)の浮気が原因で離婚した両親。その出来事は皐月の心にも暗い影を落とす。父が自分や母・梨沙子(若村麻由美)と過ごした時間は全て“嘘”だったのか。皐月に答えを教えてくれたのは陸(藤原季節)だった。

 『プリズム』(NHK総合)第2話。皐月は陸の勤めるガーデンプランニング会社で働き始める。新しく手がける庭園のリガーデンプロジェクトに、陸は皐月の作るテラリウムを活かしたいと考えていた。

 新たな恋と仕事を同時に手に入れた皐月。だからといって、陸と恋人になったわけでもなければ、彼の真意もいまいち掴めない。仕事も実力で社長を納得させられるまでは仮採用だ。皐月はひとまず目の前のテラリウムづくりに注力するが、ルームメイトの綾花(石井杏奈)は「あんまり物分かりがいいと、大切にされないよ」と苦言を呈す。

 彼女が言うように、皐月はとにかく自己主張が苦手。物怖じせず上司に意見する陸とは違って、真正面から人とぶつかることはない。誰かに選ばれること、大切にされることをどこか諦めている感じだ。それはやっぱり家族との関係が影響しているのだろう。家族を一番に愛してくれていると思っていた耕太郎は、信爾(岡田義徳)と浮気していた。そして、そんな耕太郎のことを、梨沙子はアルバムから彼の写真を処分するほど恨んでいる。

 現時点で耕太郎がゲイなのか、バイセクシャルなのかは明示されていないが、回想シーンに映る彼は梨沙子も皐月も心から大事に思っているように見える。そこには想像にも及ばない葛藤があったはずだ。浮気相手だった信爾も皐月との対面後に泣き出すほどの罪悪感を背負って生きている。一方で、浮気は紛れもなくパートナーに対する裏切りであり、梨沙子が全てをなかったことにしたいと思う気持ちも理解できる。だけど、皐月にとって家族写真は「幸せな時間は確かにそこにあった」と信じさせてくれるものだったのだ。それは美しい風景を閉じ込めるテラリウムのように。

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