杉咲花が考える『プリズム』に込められた思い 「大切な人を思い浮かべるきっかけに」

 浅野妙子が脚本を手掛けるNHKドラマ10『プリズム』の放送がスタートした。都内の園芸店でバイトする前島皐月(杉咲花)、皐月の恋人となるガーデンデザイナー・森下陸(藤原季節)、陸と過去に関係のあったガーデナーの白石悠磨(森山未來)、大切な人を思う3人の心模様が紡がれていく人間ドラマだ。放送を前に、主人公・皐月を演じる杉咲に、本作の魅力、藤原、森山との共演についてなど、話を聞いた。

人と関わり合うことの大切さと怖さ

杉咲花

ーー杉咲さんにとって、演じる皐月はどのような人物だと思いますか?

杉咲花(以下、杉咲):皐月は一歩を踏み出すことに対して臆病になってしまっている内向的なところがあり、心の奥でくすぶっているものを表現することが得意ではない人。ですが相手の話をちゃんと聞いたり見つめたりすることで、彼女なりにしっかりと感じ取ろうとしている人なのではないかと思っています。人と関わり合うことって時に体力を要しますし、自分の本質に気づかされたりもする。それが怖かったり億劫になってしまうこともあると思いますが、それでも心の奥の方では諦めたくない、繋がりたい、近づきたいと思う気持ちがあるのではないかなと、私は皐月に対して想像していて、共感ができるなと思います。

ーー藤原季節さんが演じるのはガーデンデザイナーの森下陸です。

杉咲:皐月から見た陸は悲しいとか嬉しいと感じる沸点が近い人で、小さい頃から互いに感じてきたことにどこか共鳴できる部分があるのではないかと思っています。

ーー第1話で皐月と陸は恋に落ちていきますが、杉咲さんとしては皐月は陸のどういったところに惹かれたのだと思いますか?

杉咲:どこか感覚的に共鳴できる部分があったのだと思うんです。具体的にこういうところが好きというよりは、分からないけれど気になる、惹かれてしまうという漠然としたものだったのではないかなと。

ーー演じる藤原季節さんはどのような方ですか?

杉咲:真摯に誠実に作品に向き合われている姿を拝見している一方、図書館でテラリウムの本を借りてきたんだと見せてくれたり、現場に来る前に八百屋さんで買い出ししてきたと言ってリュックに大量に詰め込んだ野菜を見せてくれたりと、とてもピュアな方です。

ーー森山未來さんが演じるガーデナーの白石悠磨は第1話のラストに少しだけ出てくるのみですが、これから皐月、陸とどのように関わってくるのでしょうか?

杉咲:陸と悠磨さんの再会をきっかけに、物語が動き出していきます。3人が揃って一緒に庭を作ることになるんです。悠磨さんはあまり多くを口にしない人で、だからこそポロっとこぼした一言が響いてくる、この人は一体なにを言い出すんだろうと気になってしまうような人物です。皐月からすると彼がガーデナーとして過ごしてきた知識だったり悠磨さん自身の魅力を感じて、話しやすい尊敬に近い存在になっていきます。

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