対決させるならレザーフェイス? 『X エックス』タイ・ウェスト監督が殺人鬼パールを語る

『X エックス』タイ・ウェスト監督が語る

 7月8日より公開中の映画『X エックス』の監督・脚本を務めたタイ・ウィストのコメントが到着した。

 A24が手がける本作は、映画製作で一旗揚げようと目論む若き俳優とフィルムメーカーら3組のカップルを軸に物語が展開するホラー。彼らは人里離れた農場で、芸術的な価値を持たせた背徳的でエロティックな作品『農場の娘』を制作し、映画のメインストリームに躍り出て、大金を稼ぐという野心に溢れていた。だが、撮影先の農場でミステリアスな老夫婦に迎えられ、その夜、想像を絶する恐怖に突き落とされることになる。

 ウェストといえば、70年代、80年代の低予算ホラーの手法を巧みに取り入れた映画『The House of the Devil(原題)』でキャリアをスタートし、以降『インキーパーズ』や『サクラメント 死の楽園』などホラー作品を撮り続けているほか、アダム・ウィンガード監督の『サプライズ』に俳優として出演するなど、まさホラー畑の人間。

 そんな彼にとってのホラー映画の最大の魅力とは、「実験的な作品を作れるジャンルであること」だという。「あらゆることが試せて、クレイジーな映画にもリアルな映画にも挑戦できるし、観客がそれについてきてくれる。映画の作り手として、自らの世界を作り上げて観客に1時間半入り込んでもらえるのは特別なことなんだ」と、あらゆるジャンルを内包するホラー映画の奥深さについて語った。

 本作は、1979年のテキサスを舞台に、映画撮影のために古びた農場を訪れた3組のカップルが史上最高齢の殺人鬼夫婦に襲われる恐怖の一夜を描いている。ホラー作品の肝ともいえるヴィランを老夫婦にした理由について、ウェスト監督は「老夫婦をヴィランにしたホラー映画は今まで見たことがなかったからだ。また、多くの人は老人の能力を過小評価していて、この作品の登場人物たちのように彼らを甘く見ていると、その対価を払うことになるよ」と語る。

 “老い”というテーマについては、「人間は必ず老いて死ぬもので、誰もが抱える恐怖だ。それに人は、若いときは“大人になったらすべて解決する”と考え、年を取ったら“もっと若ければうまくいったのに”と信じがちだ。そこには妙な悲しい皮肉があるし、多くの人が理解できるはずだから、クレイジーなホラー映画の核として持ってくるにはぴったりだと感じたんだ」と明かした。

 最後に、「もしパールがこれまでホラー界に君臨してきた名ヴィランたちと対決させるなら!?」という質問には、「やっぱり『悪魔のいけにえ』のレザーフェイスかな。きっとパールなら倒せるよ。彼女を甘く見てはいけないよ、みんなの想像以上に強いんだ」と不敵な笑みを浮かべた。

■公開情報
『X エックス』
TOHOシネマズ 日比谷ほかにて公開中
監督・脚本:タイ・ウェスト
出演:ミア・ゴス、ジェナ・オルテガ、ブリタニー・スノウ、スコット・メスカディ(キッド・カディ)、マーティン・ヘンダーソン、オーウェン・キャンベル、ステファン・ウレ
配給:ハピネットファントム・スタジオ
2022年/アメリカ/105分/原題:X
(c)2022 Over The Hill Pictures LLC All Rights Reserved.
公式サイト:https://happinet-phantom.com/X/
公式Twitter:@xmovie_jp

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