バディドラマに変化? 『石子と羽男』など恋愛を描かない“男女バディ”が重宝されるワケ

恋愛を描かない“男女バディ”ドラマが増加

 ここで、7月期から放送されるドラマの顔ぶれを見てみると……杏と坂口健太郎が、公正取引委員会の凸凹バディを演じる『競争の番人』(フジテレビ系)、“住宅リノベーション”をテーマに波瑠と間宮祥太朗が工務店の営業コンビを担う『魔法のリノベ』(カンテレ・フジテレビ系)、飯豊まりえが人の感情が色で見える刑事、浅香航大がそのバディを演じる『オクトー ~感情捜査官 心野朱梨~』(読売テレビ・日本テレビ系)、そして、中村倫也が弁護士、有村架純がパラリーガルとなる『石子と羽男ーそんなコトで訴えます?ー』(TBS系)といったように、同クールに男女バディ作品が多く出揃っていることに気づく。今後、これらの作品に恋愛要素が絡んでくるかは不明だが、おそらく恋仲に発展しないものがほとんどだろう。

 たとえ、恋愛要素がなくたって、バディものとしては王道の“正反対な2人”がタッグを組む展開が胸熱だし、各作品の舞台が、オーソドックスなものから、なじみのないジャンルまで、それぞれにカラーがあって、“物語自体”が楽しみ。期待は高まるばかりだ。

 恋愛関係にならない男女バディ作品は、王道の恋愛ドラマから抜け出た人間的な成長を視聴者に伝えることができると同時に、絶妙な距離感で向き合う“相棒”としての2人の関係性を楽しめる魅力があるーー。制作陣もそのあたりに気づき、意識しているのかもしれない。

 2022年7月期の作品ラインアップをみる限り、ドラマ界が過渡期を迎えているのは確か。ジェンダーにも配慮された新しい切り口の男女バディ作品が誕生することを強く願う。

■放送情報
金曜ドラマ『石子と羽男ーそんなコトで訴えます?ー』
TBS系にて、7月8日(金)スタート 毎週金曜22:00~22:54放送
※初回15分拡大
出演:有村架純、中村倫也、赤楚衛二、おいでやす小田、小関裕太、さだまさし
脚本:西田征史
演出:塚原あゆ子、山本剛義
プロデュース:新井順子
編成:中西真央、松岡洋太
製作:TBSスパークル、TBS
(c)TBS
公式サイト:https://www.tbs.co.jp/ishikotohaneo_tbs/
公式Twitter:@ishihane_tbs
公式Instagram:@ishiko.to.haneo_tbs

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