『ちむどんどん』自己矛盾を抱える“ちむどん男子”たち 結婚前の博夫と重なる和彦の言動

『ちむどんどん』博夫と重なる和彦の言動

「女としての幸せも手に入れたい、だけど記者としての私も大事にしたい」

 そんな自己矛盾を誰かに解いてもらいたい、強い光で進むべき道を照らしてほしいという愛の本音に共感を覚えた人も多いのではないだろうか。その“誰か”とは、愛にとって和彦に他ならない。彼は愛の意志を尊重するというが、結婚は二人の意志で決めるものだ。どちらかの意志で決めた結婚はいずれ破綻する。

 和彦の姿は、良子が結婚で迷っていた時に「君が決めることだ」と突き放した博夫(山田裕貴)と被る。結局はどちらも選択の責任を負いたくないからだ。自分で決めたことでなければ、後から何か問題が起きた時にいくらでも責任逃れできるではないか。女性の自己決定を尊重する一方で、愛する人にぞんざいな態度をとる。それこそ自己矛盾を抱えているのが、“ちむどん男子”の特徴と言えるかもしれない。

 強引に暢子との結婚を進める智も、愛に結論を委ねる和彦も正反対なようで、相手の気持ちに全く寄り添わないところが共通している。さらに「アッラ・フォンターナ」では、矢作(井之脇海)と他2名の厨房メンバーが退職届を残して消息を断つ。お世話になった二ツ橋や房子への裏切りにほかならない。『ちむどんどん』第13週は、勝手すぎる彼らの行動により波乱が巻き起こる幕開けとなった。

■放送情報
連続テレビ小説『ちむどんどん』
総合:午前8:00〜8:15、(再放送)12:45〜13:00
BSプレミアム・BS4K:7:30〜7:45、(再放送)11:00 〜11:15
※土曜は1週間を振り返り
主演:黒島結菜
作:羽原大介
語り:ジョン・カビラ
沖縄ことば指導:藤木勇人
フードコーディネート:吉岡秀治、吉岡知子
制作統括:小林大児、藤並英樹
プロデューサー:松田恭典
展開プロデューサー:川口俊介
演出:木村隆文、松園武大、中野亮平ほか
写真提供=NHK

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「リキャップ」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる