小池徹平と黒羽麻璃央が火花を散らす! 『るろうに剣心 京都編』の“スピード感”
この小池扮する剣心の宿敵・志々雄真実を演じている黒羽麻璃央は、大きな驚きを与える存在だ。実写版で藤原竜也が演じた志々雄といえば、全身の包帯がトレードマーク。物語の冒頭こそ黒羽は素顔で演じているが、作品の大半は包帯に包まれている。俳優の一つの武器である表情での表現は完全に封じられ、小池と闘うことができるのは声と肉体のみ。特殊な衣装は少なからず身体表現に影響を与えるはずだが、それを微塵も感じさせないパフォーマンスで彼は魅せる。そして、邪悪さを帯びた野太い声は小池の発するものとは対照的であり、非常に際立つもの。志々雄が持つカリスマ性の象徴として、多くの観客を魅了しているだろう。
もちろん本作は、彼ら二人の闘いだけが見どころというものではない。井頭愛海が演じる薫と剣心のささやかなロマンス、松下優也演じる四乃森蒼紫の「打倒剣心」という執着心、加藤和樹演じる比古清十郎と剣心の師弟愛、加藤清史郎演じる瀬田宗次郎の成長までもが180分の中で展開する。舞台でしか、ミュージカルでしか、そしてIHIステージアラウンド東京でしか生まれることのなかった『京都編』である。
■公演情報
ミュージカル『るろうに剣心 京都編』
5月17日(火)~6月24日(金)IHIステージアラウンド東京にて上演
出演:小池徹平、黒羽麻璃央、松下優也、加藤清史郎、岐洲匠、奥野壮、井頭愛海 鈴木梨央、伶美うらら、山口馬木也、加藤和樹 ほか
原作:『るろうに剣心-明治剣客浪漫譚-』和月伸宏(集英社ジャンプコミックス刊)
脚本・演出:小池修一郎(宝塚歌劇団)
公式サイト:https://www.ruroken-musical.com