『持続可能な恋ですか?』林太郎が実感した“普通の幸せ” 晴太はその“呪い”を超えられるか
晴太は、杏花からの“結婚を前提としたお付き合い”の申し出を「杏花さんには無理です。続きません、そんな無理」と決めつけて断り、「どうしたってうまくいかないのはわかってたのにすみません」と謝る。それは、晴太の良い奥さんになり、虹朗(鈴木楽)の良いお母さんになりたいと思うようになった杏花の心境の変化を無視してしまっている。そしてこの晴太との別れを経て「一生結婚しないと決めた」と断言する杏花もまた途端に心を閉ざし凝り固まってしまっており、2人共に“変化”の対極にいる。つまりそれは目一杯今を生きられてはおらず、どこか停滞してしまっていることを指す。
「月が満ちて欠けていくように永遠に変わらないものはありません。形あるものもないものも、もちろん自分自身も。笑ったり泣いたり心の揺れは時に自分でもままならないものです。いっそ何にも心を動かされなければ穏やかな自分でいられるのに。それでも変わるということは生きているということです。思い通りにならない心の満ち欠けを味わいながら、思いがけないことが起こる普通の毎日を目一杯生きていきましょう」
そしてこの“心の揺れ”は人と人との営みの中で生きている時にしか起こらず、“変化”をもたらさない。
颯(磯村勇斗)のプロポーズはとても素敵だが、「杏花ちゃんらしくズボラで雑なままでいい」「杏花ちゃんは何も変わらずヨガして笑っててくれたらそれでいい」という言葉も杏花自身がそれを望んでいるのならいいが、少々危うさを孕んでいる。“ありのままを認める”ということの中には、相手の“変化やその兆しを認める”ということも含まれていることを忘れてしまってはいけないだろう。
さて、次週がいよいよ最終話。杏花と晴太、そして颯の3人はどんな方向性に変化することを望むのか。
■放送情報
火曜ドラマ『持続可能な恋ですか?~父と娘の結婚行進曲~』
TBS系にて、毎週火曜22:00~22:57放送
出演:上野樹里、田中圭、磯村勇斗、ゆりやんレトリィバァ、井川遥、水崎綾女、清水くるみ、武田玲奈、鈴木康介、松重豊、鈴木楽、柚希礼音、八木亜希子
脚本:吉澤智子
演出:土井裕泰、山室大輔、小牧桜、加藤亜季子
プロデュース:中島啓介、吉藤芽衣
主題歌:幾田りら「レンズ」(ソニー・ミュージックエンタテインメント)
製作著作:TBS
(c)TBS
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