『パンドラの果実』止められない科学の暴走 小比類巻と星来に魔の手が忍び寄る
美羽も亜美も亡き今、エルマー遺伝子を引き継ぐ者、小比類巻と亜美の娘・星来に、魔の手が忍び寄る。
「科学者は探求心を抑えられない」「科学の闇」と最上が繰り返していた言葉の恐ろしさを噛みしめる。そして科学者だけではなく人間の欲望も、どうしてこうも際限がないのだろうかと虚しくなる。けれど本作は、人の命が悲しくも有限であること、行き場のない寂しさも、リアルに描いている。
DNA検査時、「彼女の洋服にたまたま」毛髪が残っていたと、小比類巻は言った。部屋もきっと、亜美がいなくなった日から時を止めたのだろう。亡くなってから届いた亜美の荷物を、未だに開けることができない、それを「変でしょう」と、小比類巻が寂しそうに笑う。死を受け入れることになってしまう気がするから、と。
変なはずがない、当たり前の葛藤だ。開けてしまえば、受け取るはずだった亜美が「もういないこと」を、時間が進んだことを、嫌でも実感してしまうだろう。あるいは、知りたくなかったことを知るかもしれない。現代の科学技術では、いつか「その日」は訪れる。それまでは、幸せな想像で箱の中身を満たして、ふっと笑えるほうがいい。それは現実逃避ではなく、事実と向き合うための準備期間だと思うから。
■放送・配信情報
日本テレビ×Hulu共同製作 新土曜ドラマ『パンドラの果実~科学犯罪捜査ファイル~』
Season1:日本テレビ系にて、毎週土曜22:00〜放送
Season2:Huluにて、6月25日(土)Season1最終話放送後から独占配信スタート(全6話)
出演:ディーン・フジオカ、岸井ゆきの、佐藤隆太、西村和彦、本仮屋ユイカ、シャラ ラジマ、安藤政信、板尾創路、石野真子、ユースケ・サンタマリア
原作:中村啓『SCIS 科学犯罪捜査班 天才科学者・最上友紀子の挑戦』(光文社文庫)
脚本:福田哲平、関久代、土城温美
監督:羽住英一郎
主題歌:DEAN FUJIOKA「Apple」(A-Sketch)
チーフプロデューサー:三上絵里子、茶ノ前香
プロデューサー:能勢荘志、尾上貴洋、古屋厚
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