『トップガン マーヴェリック』北米V2、異例の支持率を証明 ボックスオフィスの新記録樹立
6月3日~5日の北米興行収入ランキングは、『トップガン マーヴェリック』が再び制した。5月27日に日米同時公開となった本作は、北米でトム・クルーズ史上最高の初動成績を記録し、日本でも3日間で興行収入11億円を突破するロケットスタート。2週目も北米ボックスオフィス史に残る新記録を打ち立てた。
公開2週目を迎えた『トップガン マーヴェリック』は、3日間で8599万ドルを稼ぎ出し、早くも北米興収は2億9160万ドルに。『宇宙戦争』(2005年)の2億3428万ドルを抜いて、トム・クルーズ作品の北米興収記録を更新した。また、初週末の1億6051万ドル(4日間)からの下落率はわずか32%にとどまり、初動1億ドル以上の作品としては歴代最低の下落率となっている。大多数の大作映画が2週目はおよそ50~60%の下落率となる中、観客からの異例の支持を示した。
本作はトム・クルーズをハリウッドのトップスターにした『トップガン』(1986年)から36年後の続編だが、リアルタイムで前作を体験した世代だけでなく、35歳以下の若い観客からの人気も高い。配給のパラマウントによれば、35歳以下の観客は初週末より3%増加して全体の49%に。出口調査によると、“前作世代”の45歳以上も全体の38%を占めているから、まさしく全年代の映画ファンがこの作品を楽しんでいることになる。作品の評価も極めて高く、Rotten Tomatoesでは批評家スコア97%、観客スコア99%を記録。劇場での調査では、観客の75%が「強く薦める」と回答し、口コミ効果の高さもうかがわせた。
現在、『トップガン マーヴェリック』の全世界興行収入は5億4860万ドルを記録。そのうち海外興収は2億5700万ドルで、特にイギリス(4780万ドル)やオーストラリア(2340万ドル)、そして日本(2190万ドル)で高い成績を収めている。中国・ロシアでは公開されていないほか、韓国公開も6月23日に控える状況ながら、(戦闘機だけに)飛ぶ鳥を落とす勢いとはまさにこのこと。コロナ禍以前でも大ヒットと言える成績だ。パラマウントの北米配給を統括するクリス・アロンソン氏は、「“空に限界なし”という言葉がこれほど似合う映画はない」とコメントしている。
トム・クルーズ&パラマウントは本作を経て、『ミッション:インポッシブル』シリーズの最新作『ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE』を2023年7月に北米公開予定。およそ13カ月後に、同タッグは『トップガン マーヴェリック』が打ち立てたトム・クルーズ作品の新記録に自ら挑むこととなる。
今週は『トップガン マーヴェリック』に競合する作品は公開されず、ランキングに大きな変化はみられなかった。『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』が5週目も第2位をキープし、北米興収は3億8871万ドル、世界累計興収は9億941万ドルを記録。以下、『The Bob’s Burgers Movie(原題)』『バッドガイズ』『Downton Abbey: A New Era(原題)』『ソニック・ザ・ムービー/ソニック VS ナックルズ』『ザ・ロストシティ』も、順位に変動こそあれ、先週に続いてトップ10にランクインしている。