二宮和也、多部未華子、玉木宏ら 『マイファミリー』は同世代俳優の共演が見どころに
日曜劇場『マイファミリー』(TBS系)は、オンラインゲーム会社社長の鳴沢温人(二宮和也)と妻の未知留(多部未華子)が、誘拐された娘の友果(大島美優)を取り戻すため奔走するところから始まったストーリーだ。
意表を突く展開とどんでん返しの連続で注目を集める本作は、日曜劇場の若返りを狙った作品として捉えることができる。二宮と多部を筆頭に脇を固める賀来賢人、濱田岳、玉木宏たちはいずれも主演級の豪華な顔ぶれだが、30代から40代前半に集中しており、同世代俳優の共演が見どころのひとつになっている。
近年の日曜劇場は医療や刑事ドラマ、ミステリー、ホームドラマなど家族で観ることができるジャンルを取り上げ、実社会を舞台にした作品を送り出してきた。出演者もある程度名の知れた俳優である場合が多く、若手から往年の名優、注目のお笑い芸人、フリーアナウンサーまで多彩なキャスティングでも話題を呼んできた。
各年代の俳優が出演することは、企業や地域が幅広い年代で構成されていることを考えると不自然ではない。作中でも職場内での対立や家庭でのいさかい、身近な事件や災害がドラマのモチーフになっている。たとえば日曜劇場の代名詞にもなった池井戸潤原作の諸作品のうち、『半沢直樹』(TBS系)では、銀行を舞台に堺雅人演じる半沢直樹が上役の大和田(香川照之)や中野渡(北大路欣也)と対立し、時に協力しながら行内の不正を暴いていく。
また『下町ロケット』(TBS系)では、佃製作所社長の佃航平(阿部寛)が安田顕や立川談春演じる社員らと大手の帝国重工に立ち向かう一方で、離婚した元妻や娘の利菜(土屋太鳳)との関係に悩む父親としての顔が描かれた。そこにあるのは世代間の対立であり、明確なヒエラルキーの存在である。ミステリー要素の強い『テセウスの船』(TBS系)や戦争を題材にした『この世界の片隅に』(TBS系)にしても、家族や地域など世代間の関係が物語の鍵を握っていた。