『私たちのブルース』ハン・ジミン、チョン・ウネ、キム・ウビンらが見せる家族の絆
Netflixで配信中の『私たちのブルース』第15話では、切っても切れない家族のブルースを見せてくれた。海女のイ・ヨンオク(ハン・ジミン)の双子の姉であるイ・ヨンヒ(チョン・ウネ)が済州にやってきた。そしてダウン症候群のヨンヒと初対面したヨンオクの恋人パク・ジョンジュン(キム・ウビン)。ヨンオクが何度突き放そうと、握った手を離そうとはしなかった。両親に恋人の家族のことをどうやって伝えようか悩むのは、反対されるかもしれないと予想がつくからだ。だからと言って事実は変えられないし、円満な解決方法など存在しないから推し進めていくしかない。それがヨンオクを受け入れると誓ったジョンジュンの覚悟なのだ。弟のパク・ギジュン(ペク・スンド)は、聴覚障がいのあるビョリ(イ・ソビョル)と付き合いたいがために、ジョンジュンにはヨンオクと別れるよう口を出す。結果ビョリに振られ海の仕事をしている人は嫌だとまで言われるが、「君が嫌ならすぐにでも辞める」と笑顔で宣言するギジュン。真剣な思いも愛する人を絶対に諦めない姿もこの兄弟は似た者同士だ。
ヨンヒと打ち解けているジョンジュンに釘を刺すヨンオク。「あまり優しくしないで」とは期待させないでほしいと同じ意味だろう。端から見るとヨンヒに対するヨンオクの態度は冷たく見えるかもしれない。でもこれがヨンヒと自分がこれ以上傷つかない方法なのである。周りは一瞬の付き合いだから親切に振る舞えても、家族は違う。優しさだけじゃ守れないのだ。ヨンヒと一緒に生きたいと望んでも叶えられなかったのはヨンオクのせいではないのに、「そうするしかなかった」と言い聞かせてきたヨンオクの全てを理解することはできない。代わりに怒りや悔しさ、悲しみを受け止め、一緒に涙を流したのはジョンジュンだった。
ヨンヒもまた同じように傷つき、人の視線や感情に敏感にならざるを得なかった。ヨンオクが自分を捨てようとして捨てられなかったのにも気づいていたし、「優しい妹」と言うのは全部わかっていたからなのだ。だからヨンオクに心ない言葉を投げられても、どれだけ一緒にいたくても、ヨンヒはヨンオクのために離れて暮らす方を選ぶ。
ヨンヒが済州を経ち、ヨンヒの絵を前に泣き崩れるヨンオク。最後まで絵の才能を信じなかったのは、信じたくなかったのかもしれない。知らないフリをしてきたヨンヒの気持ちまで気づいてしまいそうだから。「ヨンヒとヨンオクはお互いに大好き」「ヨンオクはヨンヒのいない海が好きだ」「姉のヨンヒは妹のヨンオクが大好きだ」と並べられた絵のタイトル。この時ヨンオクは、ヨンヒがこれまで抱いていた、これからも抱えていくであろう“寂しさ”を知ってしまった。ヨンヒの深い愛とともに。