『明日カノ』萌役で原作のイメージを見事に再現 お姉さんキャラ確立させた箭内夢菜の凄み

『明日カノ』萌役好演、箭内夢菜の凄み

 そして、現在放送中の『明日、私は誰かのカノジョ』で演じている萌は、自分は他の子とは違い、周りに流されずに「私」を持っていると信じている大学生で、夜な夜な1人ミックスバーでまったり飲む女子だ。そんな萌がホストクラブに誘われ、ホストの楓(高野洸)と出会い運命が変わっていくという役。自身のYouTubeで「今回の萌という役は女優魂を発揮した」と語っていたが、まず驚かされたのが、ビフォーの冴えない原作キャラと、見た目も体型もそっくりだということ。役作りのために人生初のエクステを行ったとInstagramに投稿しているが、それ以上に『ゆるキャン△』で定着した落ち着いたイメージを、男性や自分に期待をしない劣等感からくる恋愛に冷めた人物に置き換え、20歳でどこか達観したキャラに仕上げていることだ。

 ただ、これからホストにハマっていくことになり、良くも悪くも大変身する予定だ。虚勢を張ってきた萌が徐々に決壊していく姿や彼女の恋愛に対する初々しさは、『ゆるキャン△』で培ったイメージがあるからこそ、どちらに転んでも切なくなるはず。年齢的にも、ビジュアル的にも、パブリックイメージ的にも、まさに運命といえるベストなタイミングの萌役だと思う。

箭内夢菜ちゃんインタビュー「変わったんですよね、人生が。」

 2022月3月22日アップされた『Seventeen』のインタビュー動画で、「その役に取りつかれるくらいの役を演じてみたい」と言っていたが、その第一歩が今作での役ではないだろうか。それだけの体当たり演技に期待したいが、ここから『闇金ウシジマくん』に出てきそうなホスト沼にハマってしまう危うい展開だと思うと、やはり気が気でない。

 若くしてお姉さんキャラという同世代の女優に少ないポジションを見つけたことは役者としての強みだが、逆に自分のキャラが定着するには早い年齢だけに、『明日、私は誰かのカノジョ』を終えた後、いったいどんな役柄を演じる女優になっていくのか。箭内が憧れている女優として高畑淳子を挙げるところに、向かいたい方向性のヒントが隠されているはず。いま最もこの先が楽しみな俳優の1人だ。

■放送情報
MBS/TBSドラマイズム『明日、私は誰かのカノジョ』
MBS/TBSにて放送中
MBS:毎週火曜深夜0:29〜/TBS:毎週火曜深夜1:28〜
出演:吉川愛、横田真悠、齊藤なぎさ(=LOVE)、箭内夢菜、楽駆、井上想良、ゆうたろう、福山翔大、藤原樹(THE RAMPAGE)、高野洸、宇垣美里ほか
監督:酒井麻衣、近藤幸子、菅原正登
脚本:三浦希紗、川原杏奈、イ・ナウォン
原作:『明日、私は誰かのカノジョ』をのひなお(サイコミ/Cygames)
オープニング主題歌:Amber’s 「Desire -欲情本能-」
エンディング主題歌:DUSTCELL「足りない」(KAMITSUBAKI RECORD)
製作:「明日、私は誰かのカノジョ」製作委員会・MBS
(c)「明日、私は誰かのカノジョ」製作委員会・MBS
公式サイト:https://www.mbs.jp/asukano/
公式Twitter:@dramaism_mbs
公式Instagram:dramaism_mbs

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