Netflixバブルの崩壊より深刻? 『バブル』が実証した「配信作品の全国公開」の難しさ

『バブル』にみる配信作品の全国公開の難しさ

 しかし、公開タイミングも、上映環境も、上映規模も、今回の『バブル』の劇場展開は過去のケースとはまったく異なる。先週のコラムでも公開前の段階で「一体どこに勝算があったのか?」と書いたが、実はNetflixでの配信と大規模な劇場公開の連動が予定されている国内作品(一応言っておくと、アニメーション作品とは限らない)は、『バブル』以降にも控えている。今回の『バブル』の結果は、今後の計画にも大きな修正を迫ることになるかもしれない。

 今年に入ってからは、グローバルでの契約者数減、株価の暴落、開発段階での作品の中止などネガティブなニュースが多いNetflix。しかし、2021年10月の記事(※)で、既に日本におけるNetflixの契約者数は600万人を超えているという報告もある。契約者の家族も含めてその視聴可能な人数をふまえれば、新作映画のNetflixでの配信と大規模な全国公開の両立はほぼ不可能なのではないだろうか?

参考

※ https://www.hollywoodreporter.com/business/business-news/amazon-leads-netflix-disney-in-japan-streaming-1235025531/

■公開・配信情報
『バブル』
全国公開中
Netflixにて全世界配信中
監督:荒木哲郎
脚本:虚淵玄(ニトロプラス)
キャラクターデザイン原案:小畑健
声の出演:志尊淳、りりあ。、宮野真守、梶裕貴、畠中祐、広瀬アリス、千本木彩花、井上麻里奈、三木眞一郎、広瀬アリス
オープニングテーマ:「Bubble feat. Uta」Eve(TOY’S FACTORY)
エンディングテーマ:「じゃあね、またね。」りりあ。(VIA / TOY’S FACTORY)
制作:WIT STUDIO
配給:ワーナー・ブラザース映画
(c)2022「バブル」製作委員会
公式サイト:bubble-movie.jp
公式Twitter:@bubblemovie_jp

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