『ちむどんどん』黒島結菜がまとう“タダモノじゃなさ” 夢を見つけた暢子はどう飛躍する?

『ちむどんどん』黒島結菜の只者じゃなさ

 朝ドラ『ちむどんどん』(NHK総合)で沖縄本島北部のやんばる地域で伸びやかに育ったヒロイン・暢子を溌剌と演じている黒島結菜。明るく真っ直ぐ天真爛漫でまさに“太陽”みたいな存在だ。

 疑問やおかしいと思ったことを臆せずすぐに口にできる素直さがあり、貧しさや他人からの悪意にもへこたれない芯の強さと、そんなこと“我関せず”なマイペースなところも光る。

 そんな暢子は幼少期より周囲から“女らしさ”を押し付けられることに対して強く反発していた。何をやっても結果が振るわなければ「女だから」、結果が出れば今度は「女のくせに」で片づけられる。そんなことがまかり通っていた時代にも、自身の意見をはっきりと口にしながらも、なんだかんだ人に囲まれ輪の中心にいる。それは、相容れない意見や考えがあった際に自身の不満はこぼすものの、異なる意見を強く拒絶したり、排他的になってしまわないフラットさがある暢子ゆえのことだろう。

 正々堂々としていて、良い意味で“人は人、自分は自分”を体現している。だからと言って、暢子に孤独がまとわりつくわけでもないし、周囲への落胆や諦めばかりが滲むわけでもない。周囲からの同調圧力に媚びることもしないし、そんなことよりも“本当に自分がやりたいことは何か”と思い悩み、いつだって“ちむどんどん”できることを探している。

 黒島が演じるキャラクターは周囲と軋轢を生むことはないものの、すっかり馴染んでしまうこともない。存在感があって主張や個性も強いはずなのに色に例えると何色にも染まっていない“無色透明”さを併せ持つ。

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