『正直不動産』明かされた桐山の意外なバックグラウンド 市原隼人が役の奥深さを体現

『正直不動産』市原隼人が魅せる人の奥深さ

「今は、何のために仕事をしているのか?」

 桐山(市原隼人)が永瀬(山下智久)に問いかけた質問にこそ『正直不動産』(NHK総合)が描くテーマの本質が隠されているのではないだろうか。第6話で描かれたのは、桐山と彼の父親にまつわる過去だった。

 ミネルヴァ不動産に情報を流しているのは桐山だとにらんでいた永瀬だが、社長の一声で疑念を抱いたまま2人はペアになり建築条件付き土地を売らなければならなくなってしまう。はじめは営業スタイルも、アプローチもバラバラだったふたり。しかし次第に、お互いの仕事ぶりに刺激を受け合い、問題だらけだった竹鶴工務店へのより良いアプローチ法を模索し始める。永瀬が懸命に下請けの工務店に足を運び、信頼を勝ち取ったところに桐山の提案が加わり、このプロジェクトは最高のかたちで終結した。永瀬と桐山の間にあった不信感も拭われ、桐山がスパイではないと疑いも晴れた矢先に、桐山は登坂不動産に退職を申し出る。

 第6話では、「疑惑の人」として描かれていた桐山の意外なバックグラウンドが明かされることになる。これまでも、客との関わり方は丁寧で、売上に貪欲ながらよく練られたプランを組んできた桐山。しかしミネルヴァ不動産の鵤社長(高橋克典)と密会していたことでスパイの疑いがかけられてしまった。そこに桐山の亡くなった父親の思わぬ事情が明らかとなる。かつて下請け業者だった桐山の父は、欠陥マンションの責任をひとりでとることになってしまい、自殺をしていたのだ。そして鵤との密会もこの父親の事件が関係していることがわかり、ひとまず桐山の疑惑は晴れたと言ってもいいだろう。

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「国内ドラマシーン分析」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる