『吉祥寺ルーザーズ』互いに触発し合う増田貴久と片桐仁 聡×幡多の友情が見どころに

『吉祥寺ルーザーズ』増田貴久と片桐仁の友情

 東京・吉祥寺のシェアハウスに暮らす聡(増田貴久)は、パソコンの前で苦悩していた。オンライン家庭教師に応募するための、あと一歩の勇気が出ないのだ。そこへ、同じくシェアハウスの住人の幡多(片桐仁)が。幡多は聡をなだめつつ、「えい!」と送信ボタンを押し、聡を半ば強引な方法で、オンライン家庭教師に応募させた。5月9日放送の『吉祥寺ルーザーズ』(テレビ東京系)は、聡と幡多の“男の友情”がキーポイントだ。

 すぐに家庭教師の依頼が舞い込み、まずは、適性を見るため、大人とのリモート面接に臨む。過去のある出来事が原因で、制服姿の女子高生がトラウマとなり、パニックになると倒れてしまう聡を、幡多と桜(田中みな実)は心配そうに見守る。少しずつ前に進んでいく聡の姿に幡多は、「なんか複雑な気持ち」と寂しさを滲ませた。

 幡多は自称・芸人だが、全く売れていないどころか、売れるために何かをしているわけでもなく、現在の仕事は“副業”と言い張る実演販売だ。しかしその実演販売も上手いわけではなく、「売ろう!」という熱い気持ちと、「おもしろくしたい!」という気合いが空回りしてしまい、シェアハウスの住人たちからは「才能がない」とまで言われてしまった。しかし、自分のトラウマをなんとか克服しようとする聡に背中を押され、芸人のオーディションとも言えるネタ見せに参加するべくネタ作りを開始する。

 聡は幡多に何かをしたわけではない。ただ自分のことに一生懸命なだけだ。ただし、絶対に諦めない。今は心が折れてしまった状態だとしても、教師としての仕事に誇りを持ち、また教壇に立ちたいと願って、もがいている。その姿が、売れたいと願っているだけでなにもしていなかった幡多を感化させたのだろう。

 反対に、真夜中のリビングでノートにネタを書き付ける幡多の姿を聡は優しげに、ちょっと眩しそうに見守っていた。「ライブが決まったら見に行きますね」「俺のことはいいんだよ、お前は気絶しないように頑張れよ」と互いを励ます聡と幡多。そこには、お互いに励まし、背中を押し合う“男の友情”がそこに見えた。きっと聡と幡多は普通に暮らしていたら出会わない。スーパーで惣菜を買う聡、そこで実演販売する幡多、くらいの関係性だっただろう。負け組だけが集うこのシェアハウスに入居したからこそ生まれた、友情に心が温かくなった。

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「コラム」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる