『マイファミリー』賀来賢人と濱田岳の親友コンビが活躍 利害が錯綜する複雑な対立図式に
利害が錯綜する中、登場人物を結び付けていたのは親が子を思う気持ちだった。「子どもを救うためなら親はなんだってする」と捜査一課の吉乃(富澤たけし)が葛城をたしなめる場面があったが、関係の冷え切った温人と未知留が結束したのも、三輪が温人の依頼を引き受けたのも、義父の牧村(大友康平)と母の麻由美(神野三鈴)が世話を焼くのも、犯人が友果との通話を許したのも、すべて親子の情が根底にある。誘拐事件が、刑事ドラマの題材で正体不明の犯人を追跡するミステリーであると同時に、引き裂かれた絆を取り戻す家族の物語であることを再認識した。
かくして温人たちは警察を排除することに成功。東堂と三輪の親友コンビの活躍は胸をすくようなカタルシスがあった。とはいえ、そう簡単に引き下がる警察ではなく……。黒岩勉の脚本は、最小限の状況説明と過不足ないセリフで目まぐるしく場面と視点を転換し、市川森一脚本賞を受賞した『僕のヤバイ妻』(カンテレ・フジテレビ系)を彷彿とさせる。『マイファミリー』は、日曜劇場で『グランメゾン東京』(TBS系)、『TOKYO MER〜走る緊急救命室〜』(TBS系)をヒットさせた黒岩の新たな代表作となりそうだ。
■放送情報
日曜劇場『マイファミリー』
TBS系にて、毎週日曜21:00~21:54放送
出演:二宮和也、多部未華子、賀来賢人、高橋メアリージュン、大友康平、神野三鈴、迫田孝也、那須雄登(美 少年/ジャニーズJr.)、山田キヌヲ、 渡辺邦斗、藤間爽子、大島美優、松本幸四郎、富澤たけし(サンドウィッチマン)、濱田岳、玉木宏
脚本:黒岩勉
演出:平野俊一
プロデューサー:飯田和孝、渡辺良介(大映テレビ)
スーパーバイジングプロデューサー:那須田淳
協力プロデューサー:大形美佑葵
製作著作:TBS
(c)TBS