ミレニアム世代の教科書 『NYガールズ・ダイアリー』で描かれる、人生の転機と苦悩

『NYガールズ・ダイアリー』が描く転機

 20代版『プラダを着た悪魔』×『セックス・アンド・ザ・シティ』と言われている、ドラマ『NYガールズ・ダイアリー 大胆不敵な私たち』。Huluにて全話配信中だが、Netflixでもシーズン4が配信開始された。

 舞台は言わずもがな、ニューヨーク。有名ファッション誌「スカーレット」で働く、ライターのジェーン(ケイティ・スティーヴンス)、ファッションが大好きでスタイリストを目指すサットン(メーガン・フェイヒー)、「スカーレット」のソーシャルメディア担当キャット(アイシャ・ディー)の3人がメインキャラクターだ。

 彼女たちの仕事に対する姿勢や恋模様、女性の身体の悩みに至るまで描かれており、世の女性たちに共感を得ている。シーズン3までで、彼女たちは「人生の転機」と言えるような経験をしてきた。 今回はシーズン4を中心に、彼女たちの動向について押さえておきたい。

※以下、ネタバレ含みます。

下積みから昇進、そして転職まで

 ジェーンは幼い頃に乳がんで母を亡くし、姉妹もいない中で、雑誌「スカーレット」を母や姉から教わる知恵の代わりにしてきた。そして大人になり、ライターとして「スカーレット」に携わることになる。

 シーズン1は、4年間従事してきたコピーライターのアシスタントの仕事からやっとライターとしてキャリアをスタートできるようになったところから始まる。気になる出来事をとことん追求するライター魂で、賞を受賞するまでに急成長。編集長ジャクリーン(メロラ・ハーディン)からの信頼も厚く、仕事も、そして同じライターとして働くライアン(ダン・ジャノット)との恋も順調に進んでいく。

 そして、彼女に転機が訪れる。ジェーンの噂はライター界隈でも広がっており、他媒体から引き抜きの声がかかったのだ。自分でも予期していなかったタイミングで、母のように慕った「スカーレット」から退職。ステップアップを兼ねて、新しい道を選択した。

 その後の展開を追っていくと、決してそれが彼女にとって良い選択だったとは言い難い。だが、「スカーレット」での仕事のやりがいや、人間関係、環境がいかに自分に合っていたかを学べる良い機会となったようだった。その後、ジェーンは成長した姿で「スカーレット」に戻り、自身初となる報道記事にチャレンジするなど、持ち前の探究心でファッション界の闇を明らかにし、より一層一つの記事に対して突き詰めていく。今置かれている状況から一歩踏み出してみると、同じ場所でも見える世界も変わってくるかもしれない。

 4月を迎え、社会人になる人、新しい環境で生活を送る人など様々だろう。自分の好きなことをしてバリバリ働きたい、そんなモチベーションが欲しい人はジェーンからヒントをもらえるだろう。

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