城田優、満を持しての『カムカム』登場に反響 ひなたが歩んでいく101年目の未来が

 若い頃の安子(上白石萌音)と稔(松村北斗)を繋ぐものだったラジオ英語講座は、安子とるいの大切なものとなった。るいが大人になってからは聴かれなくなり、あまり登場しなくなってしまったが、幼いひなたがまた、それを聴くきっかけを作り出した。そのひなたは、一度は挫折したものの、るいのアドバイスがあってから再び聴き始め、日々鍛錬し、自身の道を大きく開いた。やはりずっとそこにラジオ英語講座があった。

 ひなたのラジオ講座は「100年のファミリーヒストリー」が題材で、第1回目のビリーのナレーションは「A long time ago...」から始まった。これは『カムカムエヴリバディ』第1話の始まりと同じだ。この半年間のドラマはラジオ講座のテキストの、さらに奥にある深い物語だったのだ。最初から最後まで見事におさめた脚本の秀逸さに唸らずにはいられない。

 最終話では安子(森山良子)、るい、ひなたとその周りの人々のその後も描かれた。ジャズ喫茶「Dippermouth」を譲り受けたるいと錠一郎(オダギリジョー)の暮らしや桃太郎(青木柚)の驚きの行動とその後など、微笑ましく、あたたかな日々、“ひなたの道”がそこにあった。

 「わたしもひなたと呼んでいいですか?」と聞いたビリーに笑顔で答えたひなた。その柔らかくも弾けたひなたらしい笑顔に、ファミリーヒストリーの101年目が始まる予感がした。

■放送情報
NHK連続テレビ小説『カムカムエヴリバディ』
総合:午前8:00〜8:15、(再放送)12:45〜13:00
BSプレミアム・BS4K:7:30〜7:45、(再放送)11:00 〜11:15
※土曜は1週間を振り返り
出演:上白石萌音、深津絵里、川栄李奈ほか
脚本:藤本有紀
制作統括:堀之内礼二郎、櫻井賢
音楽:金子隆博
主題歌:AI「アルデバラン」
プロデューサー:葛西勇也・橋本果奈
演出:安達もじり、橋爪紳一朗、松岡一史、深川貴志、松岡一史、二見大輔、泉並敬眞ほか 
写真提供=NHK

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