ついに実現に向けて動きだす『デアデビル』MCU入りの背景 映像化の歴史を振り返る
ここ数日、アメリカのアメコミ映画系情報サイトで盛り上がっている噂が、いよいよマーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)版デアデビルのドラマシリーズが、実現に向けて動き出すのではないか、ということです。出演はもちろんチャーリー・コックスです。このニュースについて語る前に、「そもそもデアデビルとはなにか?」そしてデアデビルとMCUの関係についてご説明しましょう。
デアデビルは1964年にマーベル・コミックでデビューしました。NYのヘルズ・キッチンと呼ばれるスラム街で育った少年マット・マードックは、事故で放射性廃棄物を目に浴びて失明します。しかし、その代わりマードックは視覚以外の感覚が驚異的に発達、また超人級のバランス感覚や反射神経も身に付けます。マットは弁護士になりますが、法の裁きを逃れる悪人たちもいる。そこでマットは鍛え上げた肉体と超感覚を武器に犯罪者と戦う闇のヒーロー、デアデビルとなります。“デビル”の名の通り、悪魔を意識した角(といっても小さな角)のあるマスク&コスチュームに身を包む。またデアデビルには“命知らずという意味もあります。この設定からもわかるようにデアデビルは地球の平和を守るスーパーヒーローというよりもNYの街の犯罪者と戦うタイプです。そして車椅子にのったX-MENのプロフェッサーXに次ぐ、ハンディキャップを持った主人公でもあります。
『デアデビル』は2003年に20世紀フォックス(現・20世紀スタジオ)によって映画化されました。この時の出演はベン・アフレックです。その後、マーベルのTV部門がNetflixと組み、配信ドラマシリーズが作られることになります。このNetflix版の主役を演じたのがチャーリー・コックスでした。Netflix版は2015年から配信が始まり、シーズン3まで作られます。このNetflix版は世界観的にはMCUと繋がっているのですが、MCUを展開するマーベルの映画部門のマーベル・スタジオではなく、TV部門が制作を担当していたこと、くわえてNetflixというプラットフォーム上での展開だったので、思ったほど映画とはリンクしませんでした。
そうこうしているうちにマーベルの親会社であるディズニーがNetflixの競合ともいうべきディズニープラスを立ち上げ、ここにマーベル・スタジオ主導の、より映画とリンクしたMCUドラマを提供することが決まります。こうしてNetflix版『デアデビル』は一旦終了しました。しかしこのチャーリー・コックス演じるデアデビルのファンは多い。そこでMCUはファンを喜ばせる形で、彼の復活を試みるのです。