SXSW映画祭2019観客賞＆審査員特別賞受賞　『セイント・フランシス』8月公開決定

　ケリー・オサリヴァンが主演・脚本を務めた映画『Saint Frances（原題）』が、『セイント・フランシス』の邦題で8月19日よりヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館、シネクイントほかにて全国公開されることが決定した。

　これまでタブー視されることの多かった、女性の生理、避妊、中絶、妊娠、産後うつに育児ストレスなど、その身体にのしかかる様々な負担や精神的プレッシャー、セクシャルマイノリティーの人々が直面する社会的な差別といったリアルを、ユーモアと軽やかさをもって描いた本作。アメリカで開催されたSXSWフィルムフェスティバル2019では、観客賞と審査員特別賞を受賞した。

　34歳で独身、大学も1年で中退し、レストランの給仕として働くブリジット（ケリー・オサリヴァン）は夏のナニーの短期仕事を得るのに必死になっている。そんなうだつのあがらない日々を過ごすブリジットの人生に、ナニー先の6歳の少女フランシスや、その両親であるレズビアンカップルとの出会いにより、少しずつ変化の光が差してくる。

　あわせて公開されたポスターは、ブリジットと少女フランシスが一緒にひと夏の時間を謳歌する様子を切り取ったもの。光溢れる庭園で過ごす2人の姿に「夏が終わる頃、私はもっと強くなる」というキャッチコピーが添えられている。

　グレタ・ガーウィグ監督作『レディ・バード』の女性の描き方に触発され、俳優として多くの脚本を読んで来た経験を生かして自伝的要素を織りこんだ本作のオリジナル脚本の執筆を開始したというケリー・オサリヴァン。「女性に生理がなかったら地球には誰も存在しないのに、若い頃から生理のことは隠すように教育されている」と語り、世界の女性が毎月向き合う日常の当たり前をおおやけに語ることがタブーとされ、美化されている現状に疑問を感じ、女性の心身の本音を見せたかったと語る。

　物語のカギを握る6歳の少女フランシスを演じるのは、本作が俳優デビューとなったラモーナ・エディス・ウィリアムズ。将来の夢はアイススケートのアメリカ代表としてオリンピクに参加することだというウィリアムズの滑りも、スクリーンに収められている。

　そのフランシスを赤ちゃん扱いせず、一個人として接するレズビアンカップルの両親をチャリン・アルヴァレスとリリー・モジェクが演じる。ブリジットのボーイフレンドでミレニアル世代の考えを代弁するジェイス役には、今作が俳優デビューとなったマックス・リプシッツ。そして、オサリヴァンの私生活のパートナーでもあり、長編映画は初となるアレックス・トンプソンが監督を務めた。

■公開情報
『セイント・フランシス』
8月19日（金）全国公開
監督：アレックス・トンプソン　
脚本：ケリー・オサリヴァン
出演：ケリー・オサリヴァン、ラモナ・エディス・ウィリアムズ、チャーリン・アルヴァレス、マックス・リプシッツ、リリー・モジェク
配給：ハーク
2019年／アメリカ映画／英語／101分／スコープサイズ／5.1chデジタル／カラー
(c)2019 SAINT FRANCES LLC ALL RIGHTS RESERVED
公式サイト：www.hark3.com/frances/