生田絵梨花が飛び込んだ“松尾スズキの世界” 「信じていくことが一番の化学反応」
それぞれの世界のことを、ちゃんと知っていきたい
――コント「猫は気にならない」も、隣りにいる松尾さんが明らかに変なのに、生田さんが普通に接しているからこそ面白いですよね。
生田:不思議なシチュエーションではあるのですが、撮影中は松尾さんのことを“猫”だとしか思わなかったですし、その世界に入り込んでいました(笑)。アドリブも多く、松尾さんも台本に書いてある以外のアクションを起こしたりするので、みんなで本当に猫がそこにいると思いながら自然にやっていました(笑)。
――では、台本の解釈などで難しいと感じるところはなかったですか?
生田:そうですね、難しいとは思いませんでした。悩んだりはせず、全部楽しかったです。
――『キレイ』のようなヘビーさのある舞台作品から、今回の『松尾スズキと30分の女優2』のようなコント作品まで経験してみて、松尾さんの作品の面白さはどのようなところでしょうか?
生田:そうですね。松尾さんの世界観に触れると、ものの見方や価値観を広げてもらえるんです。自分が日々、いろんなことを決め込んじゃったり、勝手に判断しちゃったりしながら生活してるんだなあってことに気付かされるし。そういう松尾さんの目線を知っていくと、なんでもないようなことを“なんでもある”ことのように捉えられたり、ちょっと行き詰まったりしたことも、後から笑い話にできたりする。弱さや愚かさも笑いに変えられるし、そんな姿も肯定してくれるところが、松尾さんの作品にも松尾さん自身にもあるなって思います。
――そうした松尾さんの作品への理解は、関わりが増えるにつれて深まってきた感じですか?
生田:松尾さんはあまり、すべてを言葉にして言う方ではないんです。どちらかといえば、感覚的なものでセッションするというか。それを通じて理解していくことも増えていきました。あとは、松尾さんのエッセイとかもたびたび読ませていただいてて。そうやって松尾さんが言葉にしたものを見ると、ああ、こういうことを考えてたんだとか、頭の中を覗けるような感じがしています。
――本作を観ていると今後、ストレートプレイやコメディなどに出演する生田さんもさらに見てみたくなります。
生田:そうですね。ミュージカル以外のことも知りたいとこれまで以上に思ったのは、松尾さんの『キレイ』を通じてでした。『キレイ』もミュージカルではあるけれど、本当に概念を壊してもらった感じがしました。いろいろ知ることができた方が、持てる引き出しも増えそうだし、いろんな意味で強くなれそうだなと。
――生田さんが主人公のケガレを演じられた2019〜2020年版の『キレイ』は、過去の上演のなかでも、やはりミュージカル的な歌唱が強みになっていたと思います。ご自身の活動のなかで、ミュージカルはどのような位置づけにあるのでしょう?
生田:もちろんミュージカルを軸としてきちんとやっていきたいし、守りたいものでもあるんです。たとえば歌うことにおいても、ミュージカルはミュージカルとして歌いたいし、そうでない楽曲はその曲に合わせていろんな歌い方ができる人になりたい。それぞれの世界のことを、ちゃんと知っていきたいと思っています。
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■番組情報
『松尾スズキと30分の女優2』
WOWOWプライムにて、毎週日曜日23:00〜放送
WOWOWオンデマンドでは第1話放送終了後に全4話を一挙配信
脚本・演出:松尾スズキ
脚本:天久聖一、大谷皿屋敷
音楽:益田トッシュ
出演:松尾スズキ、生田絵梨花、松本穂香、松雪泰子、天海祐希(放送順)
ゲスト出演:オクイシュージ、伊勢志摩、近藤公園、皆川猿時、村杉蝉之介、町田水城、地蔵中毒ほか
監督:伏原正康、葛谷朱美
プロデューサー:石川彰子、大西隼、長坂まき子
制作協力:テレビマンユニオン
製作著作:WOWOW
公式サイト:https://www.wowow.co.jp/drama/original/matsuo2/
配信ページ:https://wod.wowow.co.jp/program/173352