佐向⼤監督作『夜を走る』5月公開決定 足立智充×玉置玲央の姿捉えたメインビジュアルも
佐向⼤監督作『夜を走る』が5月に公開されることが決定。あわせてメインビジュアルが公開された。
本作は、大杉漣さん主演映画『教誨師』を手がけた佐向が脚本・監督を務めた完全オリジナル作。脚本の構想は9年前で、本来ならば、本作が大杉さんの初プロデュース作品となるはずだったが、先に製作された『教誨師』が初のプロデュースにして最後の主演作となり、本作の企画は一旦頓挫。その後、全世界をパンデミックが覆う中、再び企画が始動し、佐向監督にとって集大成にして新境地たる一作となった。
舞台は郊外の鉄屑工場で、2人の男が物語の中心となる。ひとりは不器⽤で上司にも取引先にも軽侮されながら、実家で暮らす秋本。もうひとりはうまく世の中をわたってきた⾕⼝。あまりに退屈な、しかし平穏な毎日を送ってき た彼らだったが、ある夜の出来事がきっかけで、2⼈の⽇常と運命は⼤きく揺らぎ始める。
主人公・秋本を演じるのは、『きみの鳥はうたえる』『ふたつのシルエット』の足立智充。同僚の谷口を、『教誨師』の死刑囚役で映画初出演し、NHK連続テレビ小説『おかえりモネ』にも出演した玉置玲央が演じる。そのほか、菜葉菜、宇野祥平、松重豊、高橋努、川瀬陽太、玉井らんらが、共演に名を連ねた。撮影は、堀禎一監督『夏の娘たち ひめごと』、宮崎大佑監督『VIDEOPHOBIA』の渡邉寿岳が担当している。
公開されたメインビジュアルには、対照的な表情を見せる秋本(足立智充)と谷口(玉置玲央)が車に乗っている姿が捉えられ、バックシートは不穏なブルーライトが光り、後方には炎が火花をあげている様子が切り取られている。
ビジュアルのデザインを手がけたのは、銀杏BOYZやcero、雑誌『STUDIO VOICE』などのアートディレクターを務めてきた坂脇慶。また、一足先に本作を鑑賞した、ミュージシャン・作家の中原昌也、ミュージシャン(Summer Eye/ex.シャムキャッツ)の夏目知幸、放送作家の町山広美、ライター・編集者の門間雄介の4名よりコメントが寄せられている。
コメント
中原昌也(ミュージシャン、作家)
映画は夢か? 現実か? ファスビンダーが死んでも、いまだ彼の描いた世界が現実なのに……その揺るぎない事実をこの映画が証明した! 映画は時限爆弾だ! 全部吹っ飛ばせ!
夏目知幸(ミュージシャン/Summer Eye)
真っ赤な灰皿。箱のカタチの、足がついてる、缶でできたやつ。底に溜まった汚い汚い汚い水、粘る唾液が染み込んだ大量のタバコの吸い殻、そのエキスをじっくりと時間をかけて抽出した、もう、水って言っちゃいけない汁。あの、臭い臭い臭い臭い臭い汁。黒い黒い黒い黒い黒~い黒~い汁って、一気飲みしたら死ぬらしいから、味を知りたければ代わりにこの映画を観るといい。飲んだことがある事に気づくだけだとしても。
町山広美(放送作家)
ドストエフスキーの至言「囚人を逃亡させない最良の方法は、監獄に入っていると気づかせないことだ」がついに映画化された。快挙であり暴挙であるこの映画は、今見られなければならない。「日常を続けましょう」は看守の声だと、気づく時が来たのである。
門間雄介(ライター、編集者)
現実を不条理が侵食していく。それは一人の映画作家が格闘し、認識するにいたった世の中のある断面なんだろう。恐れを知らない、この野心的な映画は、観る人に激しい揺さぶりをかける。ぶっ壊れているのは自分か、世界か?
■公開情報
『夜を走る』
5月より、テアトル新宿、ユーロスペースほか全国順次公開
脚本・監督:佐向⼤
出演:⾜⽴智充、⽟置玲央、菜葉菜、⾼橋努、⽟井らん、坂巻有紗、⼭本ロザ、信太昌之、杉⼭ひこひこ、あらい汎、潟⼭セイキ 松永拓野、澤純⼦、磯村アメリ、川瀬陽太、宇野祥平、松重豊
配給:マーメイドフィルム、コピアポア・フィルム
(c)2021『夜を走る』製作委員会
公式サイト:http://mermaidfilms.co.jp/yoruwohashiru/
公式Twitter:https://twitter.com/yoruwohashiru