SAGアワード、キャスト賞は『コーダ あいのうた』 『イカゲーム』は3部門受賞の快挙

第28回SAGアワードを振り返る

 第28回SAGアワード(全米映画俳優組合賞)の授賞式が、2月27日(アメリカ現地時間)に米ロサンゼルス・サンタモニカで開催された。

 アカデミー賞の前哨戦のひとつとされる同賞では、『コーダ あいのうた』が、映画部門の最高賞とされるキャスト賞に輝き、同作に出演したトロイ・コッツァーが助演男優賞を獲得した。タイトルの『CODA』は、ろうの親をもつ子ども(Child of Deaf Adults)の略語であり、『コーダ あいのうた』は、家族の中で唯一の健聴者である少女の夢と葛藤を描いた物語。

 個人でSAG賞を受賞する初のろう俳優となったコッツァーは、手話による受賞スピーチで、これまでの苦労を振り返りつつ、『コーダ あいのうた』を手がけたシアン・ヘダー監督や共演者、彼をサポートしてきた妻や娘に感謝を伝え、「ろう俳優を信じ、たまたまろうであった俳優としてキャスティングしてくださり、クローズドキャプションの埋め込みや、ASL通訳の提供など、Apple TV+によるすべてのサポートに深く敬意を表します」と、感謝の意を表した。

 また、『ドリームプラン』で主演男優賞を受賞したウィル・スミスは、「いまこの瞬間は、これまでのキャリアの中で、最も素晴らしい瞬間のひとつかもしれません。ビーナス・ウィリアムズの隣に座り、『ドリームプラン』で自分の名前を呼ばれたのですから」と、喜びのコメント。

 さらにテレビ部門では、Netflixのドラマシリーズ『イカゲーム』が、3部門受賞の快挙を遂げ、優れたアクションシーンが盛り込まれた作品として称えられる、スタント・アンサンブル賞(コメディ&ドラマシリーズ)のほか、男優賞(イ・ジョンジェ)、女優賞(チョン・ホヨン)を獲得した。

 2人はそれぞれ、受賞スピーチで喜びと感謝の意を表し、イ・ジョンジェは「ありがとうございます。私にとって非常に大きな出来事です。(スピーチ原稿を)用意してきたのですが、とても読めそうではありません。映画俳優組合の方々に改めて感謝します。世界中の視聴者の皆様、『イカゲーム』を愛してくださり本当にありがとうございます。そして、『イカゲーム』チームにも感謝します、ありがとう」と、精一杯の感謝を述べ、チョン・ホヨンは、「私はいつも、スクリーンに映る俳優の皆さんを見ながら、私もこんなふうになりたいなと思っていました。本当にありがとうございます。夢が叶いました。愛しの『イカゲーム』チーム、大好きだよ!」と涙を堪えながら喜びのコメントを述べた。

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