『二十五、二十一』のヒロイン・ヒドに惹かれる理由 ユリムとの関係性にも変化が

『二十五、二十一』ヒロインの魅力とは

 さて、フェンシングとユリムを追いかけて転校までしたヒドだが、ユリムとの関係は最悪だ。「あなたの世界に行くから」と胸を弾ませていたはずが、部屋の壁に貼ってあるユリムの切り抜きを破り捨て、やっと入り込んだ憧れの世界から飛び出してしまう。このタイミングで、ヒドの心の支えであるチャット相手の“インジョルミ”がユリムであることが明かされる。チャット上ではお互いを理解している2人が現実でうまくいかないのはなぜだろうか。ここで、ヤンコーチとの練習試合にヒドが負けた要因が思い浮かばれる。ヒドはヤンコーチに「負けそう」と怖気づいた気持ちを見透かされていた。過去にヒドとの試合で恐さを感じたユリムも、「負けるかもしれない」という恐怖がヒドに冷たく当たる理由だろう。それでも、“ライダー37”と“インジョルミ”がヒドとユリムとして再会する時、きっと最高のライバルになっていると願う。


 期待してしまうものを信じないイジンは「変わらないと信じられるものは重力」と面接で答えるが、ヒドを応援するのは「期待させるから」と逆のことを言う。これは、明かにイジンの心の変化を現している。薄暗闇の中、やんわりと照らすグリーンのライトがイジンの思いとヒドを見つめる柔かな眼差しを映し出す。この時、夜練をしていたヒドの元へ訪れたイジンは、毎週土曜日に窓から憧れのユリムを見つめていたヒドと同じように窓を覗き込んでいた。それはまるで、ヒドがユリムの世界に飛び込んだように、ヒドの世界にイジンが入ってきたことを意味しているようだった。


 さあ、新しい明日がまた始まる。大人気ない手を使ってまで勝負に勝った彼はどんなお願いをするのだろう。負けないと誓う彼女の目は、どれだけ輝くだろうか。赤いスポーツカーではなく、7組のイケメンが初恋になりそうなあの子の笑顔も見たい。私たちもまた、彼らにこんなにも期待させられている。

■配信情報
『二十五、二十一』
Netflixにて独占配信中(毎週土・日曜に新着エピソード配信)
原作・制作:チョン・ジヒョン、クォン・ドウン
出演:キム・テリ、ナム・ジュヒョク、キム・ジヨン、チェ・ヒョンウク、イ・ジュミョン

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