『ムチャブリ!』草刈民代演じる母親登場でひと波乱 一気に距離を縮めた雛子と大牙
計画的に予定通りそつなく物事をこなせるタイプは確かに優秀には違いないし、安心して静観していられるが、あくまでその成果は“想定内”からはみ出すことがない。大きな失敗もしないが、規格外の成果をもたらすこともないだろう。
子会社社長・高梨雛子(高畑充希)の誰もが予想していなかった場所にみんなを連れて行ける力が存分に発揮された『ムチャブリ! わたしが社⻑になるなんて』(日本テレビ系)第6話。
「プチボナール」の系列店5店舗同時オープンに向けて準備が佳境に入る中、雛子の元に招かれざる客がやって来る。何事も“計画通り”コツコツと順序立てて物事を進めたい母・令子(草刈民代)だ。雛子とは見事なまでに正反対のタイプだ。
令子の突然の襲来に慌てて部屋の掃除をする雛子のさまは、まるで『私の家政夫ナギサさん』(TBS系)の主人公・メイ(多部未華子)とその母親・美登里(草刈民代)を彷彿とさせた。美登里もまた悪気なく無邪気に自身の娘たちに期待とある種の呪いをかけ、それが子どもを縛り付けていると気がついていないタイプの母親だった。
ゴールから逆算して計画通りに行動することを良しとする令子と、ロジカルな若手部下・大牙涼(志尊淳)が意気投合しないわけがない。たまたま2人が街で出会い会話するうちに、両者共に頭に思い浮かべる正反対の存在が雛子であるのも面白い。
令子は雛子のことを「見切り発車で、無計画。どこで覚えたんだかその場を収めるのだけは異様に上手い」と言い、大牙は「やる気なさそうなのに結局頑張ってて、危なっかしいのに意外とヒット打ってたりして」と形容する。その様子に、初対面の令子からも「あなた、その人のことが好きなのね」と言い当てられる大牙は憎めないし、わかりやすい奴だ。
しかし、この令子のマイペースぶりが大きく物語を牽引してくれた。いたく大牙を気に入った令子は雛子の家に急遽彼を招待し、雛子の会社を覗きに行ったかと思いきや浅海社長(松田翔太)に話しかけ、社長室にまで通されたりする。さらには、浅海社長と3人での「プチボナール」での夕食の約束も取り付けた上に、現地で居合わせた大牙まで席に着くように促し、今話を大いに引っかき回してくれた。