『進撃の巨人』始祖ユミルの救世主となったエレン 二千年もの間待ち続けた解放の言葉

 二千年もの長きに渡り、ユミルは巨人を何体も作り上げてきた。奴隷として生き、奴隷として死んでいったユミルに意志などない。あるのは偽りの忠誠心のみだ。そんなユミルに「お前は奴隷じゃない、神でもない、ただの人だ」と語り、唯一ユミルを人間という存在として認めたのがエレンだった。これはジークが王家の人間であることを振りかざし、ユミルに対して「自分の意志を持たぬ奴隷」と発言したこととは対照的なものだ。エレンの言葉で奴隷から解放されたユミルの目には生気が宿り、ついに不戦の契りは解かれる。

 意志が宿ったユミルの表情には涙が流れていた。『進撃の巨人 Season 1』のタイトルが「二千年後の君へ」。それに呼応するように今回のタイトルは「二千年前の君から」となっている。二千年もの間、エレンのこの言葉をユミルはずっと待ち続けていたのだ。

 エルディア人以外の人間の殲滅を目的とした地ならしが発動される。この地ならしのアニメーションがとにかく壮観だった。壁から次々と現れてくる巨人たちが列となり行進しているシーンは圧巻で、もはや美しさすらあった。また、地ならし発動後にエレンが語った「駆逐」という言葉だが、以前エレンが巨人に対して放った言葉とは意味が反転している点が興味深い。もはやエレンにとって敵は巨人ではなく、世界であり、人間である、そのことを痛感させられた。

 地ならしが発動され、誰もエレンを止めることはできない。マーレひいては世界はこの状況に対抗する術は果たしてあるのか?

■放送・配信情報
TVアニメ『進撃の巨人 The Final Season Part 2』
NHK総合にて、毎週日曜24:05〜放送
キャスト:梶裕貴、石川由依、井上麻里奈、下野紘、三上枝織、谷山紀章、細谷佳正、朴ロ美、神谷浩史、子安武人、花江夏樹、佐倉綾音、沼倉愛美、増田俊樹、松風雅也
原作:諫山創(別冊少年マガジン/講談社)
監督:林祐一郎
シリーズ構成:瀬古浩司
キャラクターデザイン:岸 友洋
総作画監督:新沼大祐 / 秋田学
演出チーフ:宍戸淳
エフェクト作画監督:酒井智史、古俣太一
色彩設計:大西慈
美術監督:根本邦明
画面設計:淡輪雄介
3DCG監督:奥納基、池田昴
撮影監督:浅川茂輝
編集:吉武将人
音響監督:三間雅文
音楽:KOHTA YAMAMOTO、澤野弘之
音響効果:山谷尚人(サウンドボックス)
音響制作:テクノサウンド
アニメーションプロデューサー:川越 恒
制作:MAPPA
(c)諫山創・講談社/「進撃の巨人」The Final Season製作委員会
公式サイト:https://shingeki.tv/final/
公式Twitter:@anime_shingeki

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