『わげもん』永瀬廉の“絶望”の演技の凄さに驚き 壮多に告げられた残酷な真実

『わげもん』永瀬廉の“絶望”の凄さに驚き

 永瀬廉が主演を務める土曜ドラマ『わげもん~長崎通訳異聞~』(NHK総合)が、1月22日に第3話を迎えた。

 この第3話では、物語における最大の謎である伊嶋壮多(永瀬廉)が捜索する父・周吾の謎が一気に解明する。老通詞・忠弥(蟷螂襲)殺しの疑いから牢屋に入れられた壮多に、周吾についての真実を話すのは通詞の森山栄之助(小池徹平)だ。

 第3話のタイトルは「苦い秘密」。良薬口に苦しとは言うが、森山から話される秘密は壮多にとってはあまりにも苦すぎる。『わげもん』では冒頭、その回で最も重要となるセリフがピックアップされる。第2回では神頭(高嶋政宏)の「お前はまだ長崎を知らない」であったが、第3回は壮多の「長崎が殺した」。壮多は父について、禁を犯した長崎の通詞たちを主君に注進ーーつまりは、仲間を売ったことで周吾は長崎から追放されたことまでは突き止めていたが、その先までは分からなかった。長崎という街全体が、周吾の存在自体に固く口を閉ざしていたからだ。

 だが、森山から話される真実は壮多の想定とはまるで逆だった。森山と同じく周吾から語学を学んでいた野田(浜田信也)は、出島の医者のために日本の地図を和解するのを手伝っていたことが幕府に目をつけられてしまう。いずれ大通詞として長崎を支える一人になると有望視されている野田。重鎮の一人がその身代わりとして立てたのが、周吾だったのだ。

 周吾としては生まれたばかりの壮多のために金が欲しかった。自分は長崎から消え、どれだけ罪を被ってもいい。しかし、この身と心は譲れんと周吾が向かったのは、壮多が待つ江戸。だが、全ての真実を知った周吾を長崎が遁走することは許さず、追っ手に斬殺されていたのだ。

「長崎が殺した。江戸で生きようとした男をお前たちが殺した!」

 牢越しに森山へと絶叫する壮多。父の死、長崎という巨大すぎる相手……森山の言う通りに、壮多自身が知ろうとしたことであるが、あまりにもその真実は残酷だった。牢獄に滴り落ちるしずくは、壮多の涙を表したメタファーだ。

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