『真犯人フラグ』特別編で残る謎をおさらい 『あなたの番です』キャストが鋭い考察?
12月19日に放送された『真犯人フラグ』(日本テレビ系)は前半戦の最終回であり、冷凍便で凌介(西島秀俊)の元に届けられた息子の篤斗(小林優仁)が警察の事情聴取で「パパがママを殺した」と語るシーンで幕を下ろした。そして12月26日に放送された「特別編」では、これまでの前半戦の流れを振り返っていく。現在劇場版が公開されている『あなたの番です』から“キウンクエ蔵前”の住人たちが「至上の時」に集まり、凌介にまつわる事件を考察していくというクロスオーバーを兼ねた総集エピソードというわけだ。
篤斗の事情聴取2日前に「至上の時」にやってきたキウンクエ蔵前の住人たち。やってきたのは久住(袴田吉彦)とシンイー(金澤美穂)、尾野(奈緒)、藤井(片桐仁)、赤池美里(峯村リエ)の5人。凌介の事件の話題になるが、それを知らないという尾野に事件の概要を説明する美里。真帆(宮沢りえ)や林(深水元基)と同じ大学のサークルだった久住は、犯人は凌介しかありえないと言い出す。そんななか早苗(木村多江)と正志(阪田マサノブ)の夫婦も合流。警察官である正志は凌介の逮捕が迫っているという噂があると言い出し、彼らの間で“凌介犯人説”が加熱すると、店にたまたま瑞穂(芳根京子)と一星(佐野勇斗)が来店するのである。
2019年の『あなたの番です』のドラマ放送時に毎週SNSで考察合戦が繰り広げられたことは、おそらくこの「一億総“推理作家”時代」を謳う『真犯人フラグ』の誕生のきっかけを作ったひとつであろうか。これまでも『真犯人フラグ』の中では第7話で藤井と桜木(筧美和子)がいる病院に凌介が運び込まれたり、第8話では手塚夫婦(田中圭&原田知世)が「至上の時」にやってきて凌介と対面したり、第9話で描かれた11年前の同窓会シーンで久住が登場したりとたびたびクロスオーバーが実現してきた。
同じ座組みで作られたこと以上に密接な関係を持つ両作がこうして絡み合うというのは興味深い。現実世界の視聴者たちに考察を白熱させたキャラクターたちが、別のドラマの世界観に入り込んでそちらの考察を働かせ、さらに登場人物同士の交流が見られる。そしてただ雑談を繰り広げるにとどまらず、赤池美里はぷろびん(柄本時生)が運営するぷろびんチャンネルに心酔し、瑞穂を“アンパンマン”(第7話での凌介のマスコミ対応シーン参照)と慕っていたりと、紛れもなく『真犯人フラグ』の世界の一員であることをうかがわせる。