特撮リバイバルブーム到来! 日本語劇場版『サンダーバード55/GOGO』を今観るべき意義
1960年生まれの庵野と1965年生まれの樋口が、『ゴジラ』シリーズ(1954年~1975年)、『サンダーバード』(1965年)、『ウルトラマン』(1966年)、『仮面ライダー』(1971年)の洗礼を受け、共にこれらの現代的企画に参加しているのは運命とも言えるだろう。2021年10月より開催された「庵野秀明展」会場の“原点”と題されたコーナーに、円谷プロ作品や東宝特撮映画のスーパーメカと共にサンダーバード1号、2号のミニチュアが展示されたり、若き頃に携わった『ザ・コンプリート・サンダーバード』のビデオパッケージが私物コーナーに並んでいたりで、庵野の本作への思い入れがどれほど強いかが窺い知れる。一方の樋口も子どもの頃に『サンダーバード』に触れて、メカの魅力やミニチュアセットの爆破に惹かれたという。樋口が特撮監督の職に就いてから担当作品で爆発シーンが多いのは、やはり原体験たる『サンダーバード』の影響が大きいと自ら語っていたほどである。その樋口真嗣が日本語劇場版『サンダーバード55/GOGO』を、庵野秀明が『シン・コンプリート・サンダーバード』を発表する2022年に、2人が自分の原点となる特撮作品にどのような新たなアプローチをしているのか。まさしく今、観るべき意味のある2本を是非ともこの目で確かめたい。
日本語劇場版『サンダーバード55/GOGO』は、日本語吹替版のキャストにも要注目だ。サンダーバード1号操縦士の長男スコットに森川智之、サンダーバード2号操縦士の三男バージルに日野聡、サンダーバード4号操縦士の四男ゴードンに江口拓也、サンダーバード5号オペレーターの次男ジョンに櫻井孝弘と、テレビアニメで活躍中の声優陣が声を演じる。国際救助隊の紅一点ペネロープ役の満島ひかりも、過去に声優仕事の経験が幾度もあり、ベテランの井上和彦(執事のパーカー役)や大塚芳忠(国際救助隊の総司令官ジェフ役)を相手に自然な演技を見せてくれる。特撮ファンのみならず、声優ファンも必見というわけだ。特に大塚芳忠は60年代の劇場版『サンダーバード』で長男スコットの声を演じていただけに、オリジナル版を愛するコアなファンならにニヤリとする粋な配役だ。この日本語版とオリジナルの英語音声を収録したBlu-rayが劇場限定で先行発売されるので、こちらもチェックされたし。
■公開情報
日本語劇場版『サンダーバード55/GOGO』
2022年1月7日(金)劇場上映開始、1月8日(土)オンライン上映開始
プロデューサー:スティーブン・ラリビエー
監督: スティーブン・ラリビエー、ジャスティン・T・リー、デヴィッド・エリオット
脚本:アラン・フェネル、デヴィッド・グラハム、デスモンド・サンダース
特殊効果監督:ジャスティン・T・リー、スティーブン・ラリビエー、デレク・メディングス
音楽:バリー・グレイ
スーパーバイザー:デヴィッド・エリオット
構成担当:樋口真嗣
編集:佐藤敦紀
声の出演:満島ひかり、井上和彦、大塚芳忠、森川智之、日野聡、櫻井孝宏、江口拓也、堀内賢雄、立木文彦ほか
制作:東北新社
配給:東北新社/STAR CHANNEL MOVIES
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